シーズ・ガット・ア・ウェイ

ビリー・ジョエルの楽曲「シーズ・ガット・ア・ウェイ」(She's Got a Way)は、彼の音楽キャリアにおいて特筆すべき軌跡を辿った楽曲の一つです。この曲は、1971年に発表されたビリーのファーストアルバム『コールド・スプリング・ハーバー〜ピアノの詩人』に収録されていました。しかし、発表当初は、残念ながら大きな注目を集めることはありませんでした。

しかし、時を経て、この曲は思わぬ形で再び脚光を浴びることになります。1982年に発表されたライブアルバム『ソングズ・イン・ジ・アティック』が、そのきっかけとなりました。『ソングズ・イン・ジ・アティック』は、『ストレンジャー』以前の4枚のアルバムに収録された楽曲のライブ音源のみを収録するという、意欲的なコンセプトのアルバムでした。このアルバムからシングルカットされた「シーズ・ガット・ア・ウェイ」は、全米23位を記録するヒットとなり、多くの音楽ファンに改めてその魅力が知られることとなりました。

この楽曲の人気の高まりを受け、1985年発表のビリー・ジョエル初のベストアルバム『ビリー・ザ・ベスト』にも収録されました。さらに、2000年に発表された『ビリー・ザ・ヒッツ』にも収録され、彼の代表的な楽曲の一つとしての地位を確立しました。注目すべきは、これらのベストアルバムには、いずれも『ソングス・イン・ジ・アティック』に収録されたライブ音源が収録されている点です。オリジナルバージョンではなく、ライブバージョンが広く親しまれているという、珍しいケースと言えるでしょう。

ちなみに、『ソングス・イン・ジ・アティック』からは、「さよならハリウッド」(全米17位)もシングルカットされました。この曲は『ビリー・ザ・ベスト』にも収録されていますが、1998年のリマスター版でオリジナルの『ニューヨーク物語』のバージョンに差し替えられた後も、引き続きライブ音源が収録されています。

「シーズ・ガット・ア・ウェイ」は、ビリー・ジョエルの初期の作品でありながら、その後のライブアルバムでの成功によって、多くの人々に愛されるようになった楽曲です。彼の音楽の幅広さと、時代を超えて愛されるメロディの美しさを象徴する一曲と言えるでしょう。

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