シーダーラピッズ

シーダーラピッズ：アイオワ州東部の魅力的な都市

シーダーラピッズは、アメリカ合衆国アイオワ州東部に位置する人口約13万7千人の都市です。アイオワ州第2の都市であり、リン郡の郡庁所在地でもあります。アイオワシティの北、デモインの東に位置し、マリオンやハイアワサといった近隣都市と合わせて広大な都市圏を形成しています。

豊かな歴史と文化

シーダーラピッズの歴史は、フォックス族とサック族インディアンの居住地だった時代にまで遡ります。1838年に最初の開拓者が到着し、シーダー川にちなんで「シーダーラピッズ」と命名されました。その後、食肉加工業の発展などを経て成長を続け、現在では芸術と文化の中心地として知られています。

シーダーラピッズ美術館をはじめ、パラマウント・シアター、シーダーラピッズ劇場などの文化施設が充実しており、アイオワ州文化回廊連合もここにあります。また、有名な画家グラント・ウッドやジャーナリストのウィリアム・L・シャイラーなど、数々の著名人を輩出していることでも知られています。ミュージカル『パジャマゲーム』の舞台になったことでも有名です。

街のニックネームは「5つの季節の都市」。通常の四季に加え、豊かな自然や文化を楽しむ時間を「5つめの季節」としています。この象徴として、シーダー川北岸には「5つの季節の樹」という彫刻が設置されています。

2008年には、シーダー川の大洪水に見舞われ、市街地の一部が浸水する被害を受けました。この災害は街のインフラや歴史的建造物に大きな影響を与えましたが、その後の復興も進められています。

活気ある経済と多様な人々

シーダーラピッズは、ゼネラルミルズ、カーギル、ロックウェルコリンズなど、多くの国内大手企業や製造業の拠点となっています。近年はハイテク産業も発展しており、アイオワシティを含む技術回廊の中核都市として経済の中継点を担っています。

人口の90％は非ヒスパニック系の白人ですが、アジア系、アラブ系アメリカ人、ヒスパニック系など、多様な民族が暮らす国際色豊かな都市でもあります。特に1980年代以降、カンボジアからの移民の流入が目立ちました。また、ドイツ系、チェコ系、スロバキア系など、ヨーロッパ系移民の子孫も多いのが特徴です。

シーダーラピッズは、アメリカにおけるイスラム教文化においても重要な役割を果たしてきました。1948年に建設されたナショナル・イスラム教墓地は、アメリカ合衆国最初のイスラム教徒専用の墓地と言われています。また、1934年に建てられたマザー・モスク・オブ・アメリカは、アメリカで最初にモスクとして使われた恒久建造物です。これらの歴史的建造物は、シーダーラピッズにおけるイスラム教徒の歴史を物語っています。

地理と都市構造

シーダーラピッズ市は、シーダー川と1番アベニューによって4つの地域（NE、SE、NW、SW）に分けられています。通りの住所表示もこの地域区分に基づいており、独自のシステムが採用されています。

中心部以外では、1番アベニューとシーダー川は東西南北の通りに対して斜めに走っており、やや複雑な市街地構造となっています。シーダーラピッズは働き場所の中心として成長しており、近郊のマリオンやハイアワサなどからの通勤者も多いです。

教育とスポーツ

シーダーラピッズには、コー・カレッジやマウントマーシー・カレッジなどの4年制大学、カークウッド・コミュニティカレッジなどの2年制カレッジがあり、高等教育機関も充実しています。

スポーツでは、マイナーリーグベースボールのシーダーラピッズ・カーネルズが1962年から本拠地を置いており、アイスホッケーチームなども活動しています。野球場、サッカー場、アイスアリーナなどのスポーツ施設も整備されています。

市政府と地区

シーダーラピッズ市は、2005年に市政形態を「弱い市長方式」に変更しました。パートタイムの市長と市政委員会による運営です。

市域内には、チェック・ビレッジなどの歴史的な地区や、ケンウッドなどの合併された地区など、様々な地区が存在します。チェコ系アメリカ人の文化が色濃く残るチェック・ビレッジには、チェコ料理店や博物館があり、多くの観光客を集めています。

交通とメディア

シーダーラピッズには、イースタン・アイオワ空港があり、州間高速道路や鉄道も通っています。市内の交通手段として、バスやタクシーの他に、中心街を繋ぐスカイウォークも整備されています。

メディアとしては、地元紙「ザ・ガゼット」や複数のラジオ局、テレビ局などが活動しています。

医療

シーダーラピッズには、セントルークス病院とマーシー医療センターという2つの主要な病院があります。

著名な出身者

シーダーラピッズは、俳優のアシュトン・カッチャーやイライジャ・ウッドなど、多くの著名人を輩出しています。画家グラント・ウッドもシーダーラピッズで育ち、『アメリカン・ゴシック』などの作品で知られています。

シーダーラピッズは、歴史、文化、経済が調和した、アイオワ州東部を代表する魅力的な都市です。多様な人々や産業が共存し、活気に満ちた街並みが広がっています。

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