シービークロス

シービークロスの生涯

シービークロス（C.B. Cross）は、日本の競走馬であり、種牡馬としても活躍した名馬です。1975年5月5日に北海道浦河町の千明牧場分場で誕生しました。父はフランスのクラシック優勝馬カロを父に持つフォルティノ、母は吉永正人が騎乗していたズイショウです。誕生当時は虚弱でしたが、成長に伴い健康を取り戻し、1977年11月に東京競馬場でデビューを果たします。

競走馬生活

シービークロスは、デビューから追い込みスタイルが特徴の競走馬で、「白い稲妻」という愛称でも知られるようになります。1978年には皐月賞と東京優駿（日本ダービー）に挑みましたが、狙った位置取りが難しく、初戦で5着、日本ダービーでは7着と惜しい結果に終わりました。しかし、条件戦での勝利を皮切りに、翌年からの活躍が期待されるようになりました。

1979年には金杯（東）で重賞初勝利を挙げ、その後も毎日王冠や目黒記念などでの成績を収め、特に目黒記念（秋）では日本レコードを樹立し、名実ともに注目の存在となりました。しかし、天皇賞へ直前での怪我により出走を断念せざるを得なくなり、その後の競走生活には幾度かの怪我に悩まされます。

復帰と種牡馬活動

1983年には種牡馬としての活動を始め、初年度に49頭の牝馬に種付けを行いました。初めは期待に反し、苦戦を強いられましたが、徐々に産駒が次々と重賞勝利を収めることで評価は高まり、特にタマモクロスはGI競走3連勝を達成し、1988年度代表馬に選出されました。

不運な生涯の幕引き

1991年4月17日、シービークロスは鼻血を出すという症状から急死してしまいます。解剖の結果、黒色腫に悩まされていたことが判明し、驚きの声が上がりました。翌24日には新冠農協畜産センターで葬儀が行われ、その後、墓は優駿メモリアルパークに移されました。

シービークロスは、名馬としての誇り高い競走生活と罪なき運命に一度は立ち向かいました。その足跡は、今なお多くの競馬ファンの記憶に残り、数々の名馬を育てたその功績は評価されています。

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