シーラ号の謎

『シーラ号の謎』（1973年）は、一見華やかなクルーズの中で繰り広げられる、深層心理と隠された過去を暴き出すサスペンス映画です。監督はハーバート・ロス、脚本はスティーヴン・ソンドハイムとアンソニー・パーキンスが担当し、ジェームズ・コバーンをはじめとする豪華キャストが出演しています。

物語は、映画プロデューサーのクリントンが、妻シーラの死から一年後、彼女を轢き逃げした犯人を暴くために、6人の容疑者を豪華ヨット“シーラ号”でのクルーズに招待することから始まります。招待されたのは、脚本家のトムとその妻リー、芸能エージェントのクリスティン、映画監督のフィリップ、女優のアリスとその夫アンソニー。彼らはそれぞれ秘密を抱え、過去にクリントンとの繋がりを持っていました。

クリントンはクルーズ中、参加者にそれぞれの秘密が書かれたカードを配り、毎晩ゲームを行います。ゲームの目的は、島々に隠された手がかりを基に、カードの持ち主を特定すること。しかし、ゲームが進むにつれて、参加者たちの秘密が明らかになり、複雑な人間関係と過去の出来事が絡み合っていきます。

二日目の夜、クリントンが殺害され、クルーズは一転して殺人事件の舞台となります。容疑者たちは互いを疑心暗鬼になりながら、真相を解明しようとします。それぞれの秘密が明らかになるにつれて、事件は予想外の方向へと進んでいく。

物語は意外な結末へと向かい、観客は最後まで緊張感を持って見守ることになります。華やかな舞台設定とは裏腹に、人間の心の闇を描いた作品であり、サスペンス映画ファンには見逃せない一本です。

キャスト

クリントン・グリーン：ジェームズ・コバーン
トム：リチャード・ベンジャミン
クリスティーン：ダイアン・キャノン
フィリップ：ジェームズ・メイソン
アリス：ラクエル・ウェルチ
リー：ジョーン・ハケット
アンソニー：イアン・マクシェーン
シーラ・グリーン：イヴォンヌ・ロメイン

スタッフ

監督・製作：ハーバート・ロス
製作総指揮：スタンリー・オトゥール
脚本：スティーヴン・ソンドハイム、アンソニー・パーキンス
撮影：ジェリー・ターピン
プロダクションデザイン：ケン・アダム
美術：トニー・ローマン
衣装デザイン：ジョエル・シューマカー
編集：エドワード・ウォーシルカ
音楽：ビリー・ゴールデンバーグ
舞台装置：ジョン・ジャーヴィス

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