シー・ハルク

シー・ハルク（She-Hulk）

シー・ハルクは、マーベル・コミックに登場するスーパーヒロインで、1980年に発表された『Savage She-Hulk #1』で初めてその姿を現しました。彼女の本名はジェニファー・ウォルターズで、弁護士であり、時にはスーパーヒーローとしても活動します。

経歴

ジェニファーは、効果的に法律を活用し社会正義を求める弁護士としての成功を夢見ていましたが、運命は彼女に過酷な試練を与えました。その日、彼女は犯罪者であるニコラス・トラスクの部下に狙撃され、命の危機に瀕します。従兄弟であるブルース・バナー（ハルク）から輸血を受けたことで命を取り留めるものの、ブルースのガンマ線を含む血液の影響で、シー・ハルクとして知られる緑色の肌を持つスーパーヒロインへと変貌します。

当初は、変身を管理することができず、変身時に無自覚で暴走してしまうことが多々ありました。しかし、天才科学者でもあるスーパーヴィランのモービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイアを弁護した際、彼から血液疾患の治療に役立つ血清を提供され、以降は変身を自在にコントロールできるようになります。こうした経緯を経て、彼女は変身後も理性を失わず、元々の陽気な性格を全面に出すことができるようになりました。この変化によって、ジェニファーは自分がシー・ハルクであることに誇りを持ち、彼女のアイデンティティをオープンにすることにしました。

シー・ハルクとしての彼女の活動は多岐に渡ります。アベンジャーズやファンタスティック・フォーに参加し、悪と戦うこともあれば、超人向け弁護士として活躍する場面もあります。また、彼女は「グッドマン、リーバー、カーツバーグ・アンド・ホリウェイ法律事務所（GLK&H）」での勤務を経て、アイアンマンの依頼でシビル・ウォーにおいてS.H.I.E.L.D.に協力しました。

友好的で開放的な性格から、ホークアイやキャプテン・マーベルなど多くのスーパーヒーローたちと友情を築き上げ、彼らからは「ジェン」や「ジェニー」と呼ばれます。また、マイティ・ソーやアイアンマンとのロマンチックな関係も描かれています。しかし2018年に、アベンジャーズ誌の「ファイナル・ホスト」事件にて、体内の放射線が増強され、従兄弟のハルクと似た筋肉質の巨人へと変貌し、その後彼女は自らをシーハルクとは呼ばず、ハルクとして知られるようになります。

能力

シー・ハルクには様々な超人的な能力が備わっています。彼女は、シー・ハルクに変身すると100トンを超える物体を持ち上げるほどの怪力を発揮し、また超人的な脚力によって千フィート以上の高さを跳躍することが可能です。この力は長距離移動にも利用されます。

彼女はまた、高度な耐久力や回復力を持ち、通常の銃弾では傷を負いません。武術の訓練も受けており、シー・ハルクに変身しなくても、通常の犯罪者に対しては十分に対抗できる力を持っています。さらには、ガンマ線のエネルギーを吸収したり放射する能力を持ち、この力は彼女がさらなるエネルギーを取り入れることで増強されます。

シー・ハルクは、肉体交換術を使える能力を身に付け、他者との力や外見を交換することもあるほか、第4の壁を越えて読者に語りかける能力も有しています。これにより、漫画のキャラクターである自分を認識し、観客に直接メッセージを送ることが可能です。現在ではこの能力はあまり使用しないようですが、特異な能力として彼女の個性を引き立てています。

MCU版

マーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）では、タチアナ・マスラニーがジェニファー・ウォルターズ/シー・ハルクを演じています。彼女のキャラクターは超人法に特化した弁護士という設定で、Blu-ray版では井上麻里奈が日本語吹き替えを担当しました。ドラマ『シーハルク：ザ・アトーニー』においては、彼女がどのようにシー・ハルクとしての力を使いこなしていく様子が描かれています。

他メディアでの出演

シー・ハルクは1982年の『超人ハルク』系列をはじめ、様々なテレビアニメやゲームにも登場しています。その中でもカプコンの対戦型格闘ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 3』ではプレイアブルキャラクターとして参戦し、多くのファンの支持を受けています。彼女の受け入れられるキャラクター性は、マーベルユニバース全体においても確固たる地位を築いています。

もう一度検索