シー・ミー・フィール・ミー

シー・ミー・フィール・ミー (See Me, Feel Me)

ザ・フーの楽曲「シー・ミー・フィール・ミー」は、1970年にシングルとしてリリースされ、彼らの代表作の一つとして知られています。作詞・作曲は、バンドの中心人物であるピート・タウンゼントが手掛けました。この曲は、元々1969年に発表されたアルバム『トミー』に収録されていました。

解説

「シー・ミー・フィール・ミー」は、ロック・オペラの先駆けとなったアルバム『トミー』の終盤を飾る重要な楽曲です。物語は、ある種の宗教団体の指導者のように崇められた主人公トミーが、信者からの反発に遭い、全てを失って孤独に陥る場面を描いています。しかし、その後のトミーがどうなったのかは具体的に示されず、聴き手それぞれの解釈に委ねられています。

アルバムでは、「俺達はしないよ」という曲の後半部分に組み込まれており、単独の楽曲としてはクレジットされていませんでした。しかし、シングル化される際に、歌い出しの歌詞をタイトルとして独立した楽曲として扱われるようになりました。2003年にリリースされたデラックス・エディションでは、「俺達はしないよ」から分離してクレジットされましたが、2013年リリースのスーパー・デラックス・エディションでは、再び「俺達はしないよ」の中に内包される形となっています。1996年のリマスター版以降は、フェードアウトが遅くなり、演奏時間が若干長くなっています。

コンサート・パフォーマンス

ザ・フーは、『トミー』発表後の1969年から1970年にかけてのツアーで、アルバムのほぼ全曲をノンストップで再現しました。この曲も全てのコンサートで演奏され、その模様はウッドストック・フェスティバルでの演奏として、映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』に収録されました。

「トミー・ツアー」終了後も、「シー・ミー・フィール・ミー」は「ピンボールの魔術師」や「スパークス」などと共に、コンサートの定番レパートリーとして演奏され続けました。2000年以降のコンサートでは、ラストに演奏されることが多くなっています。また、2012年のロンドンオリンピック閉会式でも演奏され、そのパフォーマンスは世界中の観客を魅了しました。

「シー・ミー・フィール・ミー」は、ザ・フーの音楽的才能と、ピート・タウンゼントの深い精神性を反映した楽曲として、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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