ジェイムス・マンチャム

サー・ジェイムス・リチャード・マリー・マンチャムの生涯

サー・ジェイムス・リチャード・マリー・マンチャム（Sir James Richard Marie Mancham KBE、1939年8月11日 - 2017年1月8日）は、セーシェルの政治史において重要な人物です。彼はセーシェル共和国の初代大統領（1976年 - 1977年）、セーシェル植民地首相（1970年 - 1975年）、そしてセーシェル自治領首相（1975年 - 1976年）を歴任しました。

生い立ちと初期の政治活動

マンチャムは1939年、当時イギリスの王領植民地であったセーシェルの首都ヴィクトリアで、裕福なイギリス人実業家の家庭に生まれました。彼はまた、華僑の血を引いており、母親はフランス系の血筋でした。セーシェルでイギリスからの独立運動が活発化すると、マンチャムはセーシェル民主党を結成し、2005年までその党首を務めました。

セーシェル民主党は、資本主義と保守主義を政治的基盤としており、ソ連の支援を受けたフランス＝アルベール・ルネが率いるセーシェル人民統一党と激しく対立しました。マンチャムはセーシェル植民地の主席大臣として、空港設備の改善に尽力し、世界からのアクセスを容易にしました。この政策により、観光業が著しく発展し、セーシェルの経済成長に大きく貢献しました。

大統領就任とクーデター、そして亡命

セーシェルが独立を達成すると、マンチャムの民主党はルネの人民統一党と連立政権を樹立し、マンチャムが大統領に、ルネが首相に就任しました。しかし、独立からわずか1年後の1977年6月、マンチャムはルネが指揮するクーデターによって失脚し、亡命を余儀なくされました。このクーデターは、タンザニアで訓練を受けた部隊によって実行されました。

帰国後の政治活動と晩年

1992年、ルネ政権が複数政党制を導入すると、マンチャムはセーシェルに帰国しました。1993年7月の大統領選挙では36.72%の得票を獲得し、ルネに次ぐ得票数で2位となりました。1998年3月の大統領選挙にも再び出馬しましたが、この時は13.8%の得票で3位に終わりました。

2017年1月8日、ジェームズ・マンチャムは77歳でその生涯を閉じました。彼の政治的な遺産は、セーシェルの歴史に深く刻まれています。セーシェル独立の立役者として、また、観光業発展の功労者として、マンチャムの名前は長く記憶されることでしょう。

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