ジェイムズ・スピード

ジェイムズ・スピードの生涯と業績

ジェイムズ・スピード（1812年3月11日 - 1887年6月25日）は、アメリカ合衆国の法律家、政治家として重要な役割を果たしました。エイブラハム・リンカーンおよびアンドリュー・ジョンソンの両大統領の下で、第27代アメリカ合衆国司法長官を1864年から1866年まで務め、特に南北戦争時の政治活動において影響力を持ちました。

生い立ちと初期の経歴

スピードは、ケンタッキー州ジェファーソン郡で誕生しました。彼はセントジョセフ大学を卒業後、トランシルヴァニア大学で法律を学びます。1833年にはルイビルで弁護士として認可を受け、1856年にはルイビル大学法学部の教授に就任し、知識を次世代に伝える努力を続けました。一度は教授職を退くものの、1872年に復帰し、最終的に1879年まで教鞭を取りました。

政治活動

ケンタッキー州での活動と南北戦争

スピードの政治キャリアは1847年に始まり、ケンタッキー州下院議員に選出されたことがきっかけです。彼はホイッグ党に所属し、奴隷制への反対を声高に訴えました。しかし、1849年の州憲法制定会議では、奴隷に対する平等権を主張したため、落選してしまいました。また、1851年から1854年までルイビル市議会議員を務め、最後の2年間は議長としても活動しました。南北戦争の農村部への影響が現れる中、スピードは北部を支持し、ケンタッキー州が連邦に留まるべきであると主張しました。彼自身もルイビル市民軍の臨時指揮官として北軍に協力をしました。

リンカーン政権とジョンソン政権

1864年12月、リンカーン大統領はスピードをアメリカ合衆国司法長官に任命します。その後、リンカーンが暗殺されると、スピードはジョンソン政権でも司法長官職に留まり続けました。スピードは急進的な政策を支持し、特に黒人に対する参政権の付与を容認するよう主張しました。しかしながら、ジョンソンの保守的な方針に失望し、1866年7月に司法長官を辞任し、再び弁護士業務に取り組みます。

晩年

スピードの急進的な姿勢は、特にケンタッキー州の有権者から否定的に受け取られ、1867年には州上院議員選挙に立候補しますが、結果は惨敗に終わりました。また、1868年には共和党の副大統領候補にも名を連ねましたが、敗北しました。1866年にはフィラデルフィアで開催された「ロイヤリスト会議」に議長として参加したり、1870年には連邦下院議員に立候補したりするものの、いずれも成功には至りませんでした。

彼の生涯は、政治的な活動が中心で、多くの試練と挑戦に満ちただけでなく、彼自身の価値観を示すものでした。スピードは1887年にケンタッキー州ルイビルで息を引き取り、その遺体は地元のケイヴヒル墓地に埋葬されました。

家族

スピードは判事のジョン・スピードを父に、母はルーシー・ギルマー・フライという家庭に生まれました。1840年、ペンシルベニア州出身のジェイン・コクランと結婚し、二人の間には7人の子供が誕生しました。家庭生活もスピードの公私にわたる背景を形成し、彼の政治活動に影響を与えたに違いありません。スピードの人生を振り返ると、彼が直面した数々の課題の中で、堅実な信念を貫いた姿が浮かび上がります。

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