ジェイムズ・ダグラス (第14代モートン伯爵)

ジェイムズ・ダグラス、第14代モートン伯爵は、1702年にスコットランドのエディンバラで生まれました。名門ダグラス家の出身で、父は第13代モートン伯爵です。彼はケンブリッジ大学キングスカレッジで学び、1722年にマスター・オブ・アーツの学位を取得。その後、1738年に父が亡くなると、家督を継ぎ第14代モートン伯爵となりました。

伯爵の地位につくと、ジェイムズはスコットランド貴族の代表議員として貴族院議員に就任。ホイッグ党に所属し、政治の世界で活躍しました。1761年から1768年にかけては、選挙名簿管理長官を務めるなど、政治的な影響力を強めていきます。政治活動以外にも、学術的な活動も盛んに行っています。1746年にはフランスを訪れており、ジャコバイトへの傾倒が噂されています。

彼は科学にも造詣が深く、30年以上にわたって王立協会フェローを務めた後、1764年には王立協会会長に就任しました。大英博物館の初代評議員を務めるなど、文化面での貢献も目覚ましいものがあります。さらに、フリーメイソンリーにも積極的に参加しており、スコットランド・グランドロッジとイングランド・首位グランドロッジのグランドマスターを歴任するなど、その影響力は多岐にわたりました。

私生活では、1731年以前にアガサ・ハリーバートンと結婚し、5人の息子と3人の娘をもうけました。しかし、息子たちは次男のショルト・チャールズ・ダグラス以外は夭折してしまいました。その後、1748年にアガサと死別し、1750年にブリジットと再婚。彼女との間に息子ジョンをもうけました。このジョンの子孫が後のモートン伯爵を継承することになります。三女のメアリーは、アボイン伯爵と結婚しています。

ジェイムズ・ダグラス、第14代モートン伯爵は、1768年10月12日にこの世を去りました。彼の爵位は、息子のショルトが継承しました。貴族、政治家、科学者、フリーメイソンのグランドマスターという複数の顔を持ち、スコットランド社会に多大な影響を与えた人物でした。彼の功績は、モートン湾という地名にも残されています。彼は、その時代のスコットランドを代表する著名人の一人であったと言えるでしょう。彼の生涯は、貴族社会の複雑さ、政治のダイナミズム、そして科学と文化への献身という、多様な要素が絡み合った興味深いものです。

彼の政治活動は、当時スコットランドで繰り広げられていた複雑な政治情勢を反映しており、ホイッグ党としての活動を通して、彼は国の発展に貢献しようと努めたと考えられます。また、王立協会会長や大英博物館評議員としての活動は、彼が科学や文化の発展に強い関心を持っていたことを示しています。そして、フリーメイソンのグランドマスターとしての活動は、彼の社会的な影響力と組織力、そして人脈の広さを物語っています。このように、彼の生涯は、個人の成功と社会への貢献が一体となった、まさに「成功者」の人生と言えるでしょう。その功績は、今日まで語り継がれています。

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