ジェイムズ・モロウ

ジェイムズ・モロウ（James Morrow、1947年3月17日 - ）は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のSF作家です。

モロウは、SF、ファンタジー、哲学、社会風刺など、多岐にわたる要素を融合させた作品世界を構築することで知られています。彼の作品は、しばしば宗教、倫理、政治といったテーマを扱い、読者に深く考えさせるような内容となっています。

代表作としては、神の死をテーマにした「Godhead」三部作（『Towing Jehovah』(1994)、『Blameless in Abaddon』(1996)、『The Eternal Footman』(1999)）が挙げられます。この三部作は、神の遺体を巡る騒動や、神なき世界で生きる人々の姿を描き出し、大きな反響を呼びました。

他にも、『The Wine of Violence』(1981)、『The Adventures of Smoke Bailey』(1983)、『The Continent of Lies』(1984)、『This Is the Way the World Ends』(1985)、『Only Begotten Daughter』(1990)、『City of Truth』(1990)、『The Last Witchfinder』(2006)、『The Philosopher's Apprentice』(2008)、『Shambling Towards Hiroshima』（「ヒロシマをめざしてのそのそと」）(2009)など、多数の小説を執筆しています。

短編作品も多く、「Spelling God with the Wrong Blocks」(1987)、「Bible Stories for Adults, No. 17: The Deluge」（『おとなの聖書の物語　第17話　ノアの箱舟』）(1988)、「Abe Lincoln in McDonald's」(1989)、「Daughter Earth」(1991)、「City of Truth」(1991)などが知られています。これらの作品は、短編集『Swatting at the Cosmos』(1990)、『Bible Stories for Adults』(1996)、『The Cat's Pajamas』(2004)に収録されています。

モロウは、その独特な作風と社会に対する鋭い視点から、数々の賞を受賞しています。1988年には短編「Bible Stories for Adults, No. 17: The Deluge」でネビュラ賞 短編小説部門を、1992年には中長編「City of Truth」でネビュラ賞 中長編小説部門を受賞しました。また、1995年には長編『Towing Jehovah』で世界幻想文学大賞長編を、2010年には短編「ヒロシマをめざしてのそのそと」でシオドア・スタージョン記念賞を受賞しています。

また、アンソロジーの編集も手掛けており、『Nebula Awards 26』(1992)、『Nebula Awards 27』(1993)、『Nebula Awards 28』(1994)などを編集しています。さらに、Kathryn Morrowと共同で『The SFWA European Hall of Fame: Sixteen Contemporary Masterpieces of Science Fiction from the Continent』(2007)を編集しています。

ジェイムズ・モロウは、現代SF・ファンタジー界において、他に類を見ない個性的な作家として高く評価されています。彼の作品は、エンターテイメント性だけでなく、深い思想性も兼ね備えており、読者に新たな視点を与えてくれるでしょう。

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