ジェオックス・TMC

ジェオックス・TMC：激動の歴史を辿ったスペインのロードレースチーム

ジェオックス・TMC（Geox-TMC）は、スペインを本拠地とする自転車ロードレースチームです。2004年にサウニエル・ドゥバル＝プロディールとして誕生し、数々の勝利を重ねましたが、ドーピング問題やチーム解散など、激動の歴史を歩みました。

沿革

2004年：サウニエル・ドゥバル＝プロディールとして結成

マウロ・ジャネッティがチームを率い、サウニエル・ドゥバル＝プロディールとしてスタートを切りました。ミゲル・アンヘル・マルティン・ペルディゲーロがクラシカ・サンセバスティアンで優勝、レオナルド・ピエポリとコンスタンティノ・サバリャがブエルタ・ア・エスパーニャで区間優勝を飾るなど、初年度から好成績を収めました。

2005年：UCIプロチームに昇格

UCIプロチームとして承認され、本格的なプロチームとしての活動を開始しました。

2006年：ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャで区間優勝

レオナルド・ピエポリがジロ・デ・イタリアで2度区間優勝、デヴィッド・ミラーとフランシスコ・ベントソがブエルタ・ア・エスパーニャで区間優勝を果たしました。

2007年：ジロ・デ・イタリアで山岳賞獲得

イバン・マヨ、レオナルド・ピエポリ、リカルド・リッコ、ジルベルト・シモーニがジロ・デ・イタリアで区間優勝。レオナルド・ピエポリは山岳賞も獲得しました。また、レオナルド・ピエポリはブエルタ・ア・エスパーニャでも区間優勝、フアン・ホセ・コーボがバスク一周で総合優勝を果たしました。

2008年：ドーピング問題とチーム解散の危機

リカルド・リッコがジロ・デ・イタリアで2度区間優勝するも、ツール・ド・フランス直前にサウニエル・ドゥバル＝スコットに名称変更。しかし、ツール・ド・フランスでリカルド・リッコのドーピング陽性が発覚し、チームは大会から撤退。メインスポンサーのサウニエル・ドゥバルも撤退し、チームは解散の危機に瀕しました。その後、スコット＝アメリカン・ビーフとして再出発しましたが、レオナルド・ピエポリのドーピング陽性も発覚し、スコット＝アメリカン・ビーフも撤退しました。

2009年：フジ・セルベットとして再始動

フジ・セルベット（Fuji-Servetto）として再始動。パオロ・ベッティーニとの契約を画策するも頓挫。フアン・ホセ・コーボがブエルタ・ア・エスパーニャで区間優勝しました。

2010年：フットオン・セルベット・フジに改称

フットオン・セルベット・フジ（Footon-Servetto-Fuji）に改称。若手主体のチーム構成へと変化しましたが、成績は振るわず、スポンサーのアンポが資金援助を打ち切りました。

2011年：ジェオックス・TMCとして再出発、そして解散

イタリアの靴メーカーであるジェオックスと、スペインの変圧器メーカーであるTMCがスポンサーとなり、ジェオックス・TMCとして再出発。カルロス・サストレ、デニス・メンショフというグランツール総合優勝経験者を獲得しましたが、UCIプロチームライセンスを却下され、ツール・ド・フランスのワイルドカード枠からも外れました。ブエルタ・ア・エスパーニャではコーボが総合優勝を果たしましたが、同年10月20日にチームの解散が発表されました。

ジェオックス・TMCは、目まぐるしく名前が変わり、所属選手も大きく入れ替わるなど、安定したチーム運営とは言えませんでした。しかし、所属した選手たちはそれぞれのレースで確かな成績を残し、ロードレース史にその名を刻んでいます。

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