ジェニー・トンプソン

ジェニファー・トンプソン：アメリカ競泳界のレジェンド

ジェニファー・"ジェニー"・ベス・トンプソン（Jennifer "Jenny" Beth Thompson、1973年2月26日生まれ）は、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州出身の元競泳選手です。彼女は、10代の頃から国際舞台で活躍し、長年にわたりアメリカ競泳界を牽引しました。

幼少期から才能を開花、パンアメリカン大会での衝撃デビュー

7歳から水泳を始めたトンプソンは、その才能をすぐに開花させます。14歳という若さで1987年のパンアメリカン競技大会アメリカ代表に選出され、50m自由形と4×100mフリーリレーで金メダルを獲得。その衝撃的なデビューは、彼女が将来世界を舞台に活躍することを予感させました。

バルセロナ五輪での世界記録樹立と銀メダル

1992年のバルセロナオリンピック米国代表選考会では、100m自由形で54秒48の世界記録を樹立し、一躍優勝候補の筆頭に躍り出ます。しかし、本番では惜しくも銀メダルに終わりました。それでも、フリーリレーとメドレーリレーでは金メダルを獲得し、その実力を世界に示しました。

アトランタ、シドニー、アテネ五輪での活躍

1996年のアトランタオリンピックでは、個人種目での出場は叶わなかったものの、リレー要員としてチームに貢献。リレー3種目での金メダル獲得に大きく貢献しました。1999年には100mバタフライで57秒88の世界記録を18年ぶりに更新しますが、翌年にはインヘ・デブルーインに記録を塗り替えられます。2000年のシドニーオリンピックでは、リレー3種目で金メダルを獲得するものの、個人種目では100m自由形で銅メダル、100mバタフライで5位という結果に終わりました。

31歳で迎えた2004年のアテネオリンピックでは、リレー2種目で銀メダル、100mバタフライ5位、50m自由形7位という成績を残しました。

リレーの女王、そして医大生スイマーとして

トンプソンは、14歳から31歳まで、アメリカの自由形とバタフライのエースとして長きにわたり活躍し、世界水泳やパンパシフィック水泳などの主要大会で数々の金メダルを獲得しました。オリンピックでは、リレー種目でアメリカ女子最多となる8個の金メダルを獲得しましたが、個人種目での金メダルには手が届きませんでした。

また、トンプソンはスタンフォード大学を優秀な成績で卒業し、コロンビア大学の医学部に通いながら競技を続ける医大生スイマーとしても知られていました。アテネ五輪を最後に現役を引退後、2006年に医師免許を取得し、ボストンの病院で麻酔科医として勤務しています。

主な記録

50m 自由形 : 25秒02 (2003年)
100m 自由形 : 54秒07 (2000年)
200m 自由形 : 1分59秒49 (2000年)
50m バタフライ : 26秒00 (2003年)
* 100m バタフライ : 57秒59 (2000年)

ジェニファー・トンプソンは、その輝かしい実績と、競技と学業を両立させたストイックな姿勢で、多くの人々に感動を与えました。彼女は、アメリカ競泳界における真のレジェンドとして、その名を歴史に刻んでいます。

もう一度検索