ジェノヴァ包囲戦 (1746年)

ジェノヴァ包囲戦（1746年）

ジェノヴァ包囲戦は、オーストリア継承戦争中の1746年に、オーストリア、イギリス、サルデーニャの連合軍がジェノヴァ共和国の首都ジェノヴァを包囲した戦闘です。この戦いは、当時のヨーロッパの政治情勢と、ジェノヴァの戦略的な重要性を示す出来事でした。

包囲に至る経緯

オーストリア継承戦争において、ジェノヴァ共和国は当初、フランス王国とスペイン王国と同盟関係にありました。しかし、戦況の変化により、ジェノヴァは同盟国から見捨てられる形となり、オーストリア軍の指揮官アントニオット・ボッタ・アドルノに降伏を余儀なくされました。

連合軍の足並みの乱れ

オーストリア軍がジェノヴァと単独で交渉を進めたことは、連合軍内部に不協和音を生じさせました。特に、イギリスとサルデーニャはこれに強く反発。イギリス艦隊の指揮官ジョージ・タウンゼンドは、外交官アーサー・ヴィレッツからの指示を受け、抗議としてジェノヴァの封鎖を継続しました。最終的には、ニューカッスル公爵の命令により封鎖は解除されましたが、連合軍の連携の難しさが浮き彫りとなりました。

ジェノヴァ市民の蜂起

オーストリア軍の統治下に入ったジェノヴァでしたが、その支配に対する市民の不満は日増しに高まりました。オーストリア軍が連合軍と共に南フランスへの侵攻を開始した後、1746年12月7日、ジェノヴァ市民はついに蜂起し、残された駐留軍を cityから追い出すことに成功しました。この蜂起は、ジェノヴァ市民の強い独立心と、外国勢力に対する抵抗の象徴となりました。

再度の包囲と失敗

ジェノヴァ市民の蜂起後、連合軍は再びジェノヴァを包囲しようと試みましたが、1747年にはこの試みは失敗に終わりました。ジェノヴァ市民の抵抗と、ヨーロッパ列強の思惑が複雑に絡み合い、ジェノヴァ包囲戦は終結しました。

戦いの影響

ジェノヴァ包囲戦は、オーストリア継承戦争の一局面であると同時に、ジェノヴァ共和国の命運を左右する重要な出来事でした。この戦いを通じて、ジェノヴァ市民は自らの手で cityを守り抜くという強い意志を示し、その後の歴史に大きな影響を与えました。

参考文献
* Lodge, Sir Richard. Studies in Eighteenth Century Diplomacy 1740-1748. John Murray, 1930.

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