ジェフ・フランシス

ジェフリー・ウィリアム・フランシス（Jeffrey William Francis）は、1981年1月8日、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーに生まれました。左投左打の元プロ野球選手（投手）です。

幼少の頃から父親の影響で物理学に興味を持ち、カナダの国技であるアイスホッケーよりも、頭を使うスポーツだと考え野球を好みました。ブリティッシュコロンビア大学では物理学と天文学を専攻する傍ら、野球部でも活躍しました。

2002年のMLBドラフトでコロラド・ロッキーズから1巡目（全体9位）で指名され、プロ入りを果たします。2004年には、AA級タルサ・ドリラーズで球団史上初となる開幕10連勝を記録。AAA級コロラドスプリングス・スカイソックスとの合計で16勝3敗、防御率2.21、196奪三振という目覚ましい成績を残しました。アテネ五輪ではカナダ代表のエースとして期待されましたが、ロッキーズがメジャーへ昇格させたため、五輪出場は見送られました。同年8月25日にメジャーデビューを果たし、アトランタ・ブレーブス戦で5回8奪三振を記録するも、6失点を喫し敗戦投手となりました。3度目の登板となった9月5日のサンディエゴ・パドレス戦で、5.1回を無失点に抑えメジャー初勝利を挙げました。この年は7試合に先発し、3勝2敗、防御率5.15を記録。『ベースボール・アメリカ』と『USAトゥデイ』のマイナー最優秀選手賞をダブル受賞しました。

2005年はナショナルリーグ新人王の有力候補として期待され、先発ローテーションに定着。防御率は5.68ながらも、14勝12敗を挙げました。128奪三振、14QSはチーム最多であり、勝利数・奪三振数・先発登板数・投球回数でリーグ新人選手中トップの数字を残しました。

2006年のWBCではカナダ代表として出場。レギュラーシーズンでは2年連続2桁勝利となる13勝を記録し、防御率も改善。ロッキーズはフランシスに4年総額1,325万ドルという契約を与えました。

2007年は球団新記録となる8連勝をマークするなど、17勝を挙げ、チームのポストシーズン進出に貢献。地区シリーズ、リーグ優勝決定戦でも好投し、ワールドシリーズに進出。しかし、レッドソックスとのワールドシリーズ初戦では4回6失点と振るわず敗戦投手となりました。

2008年以降は故障に苦しみ、2009年には左肩の手術を受けました。2010年に復帰するも、以前のような活躍はできませんでした。その後、カンザスシティ・ロイヤルズ、シンシナティ・レッズ傘下、ロッキーズ、オークランド・アスレチックス、ニューヨーク・ヤンキースを経て、2014年10月31日にトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結びました。

2015年にはブルージェイズでメジャー昇格を果たし、球団初のカナダ人バッテリーが実現しました。同年はパンアメリカン競技大会のカナダ代表に選出され、金メダルを獲得。9月1日にメジャー契約を結び昇格。レギュラーシーズンでは14試合に登板しました。同年11月2日にFAとなり、12月16日に現役引退を表明しました。

引退後の2022年2月、カナダ野球殿堂に表彰されました。

フランシスの投球スタイルは、ツーシームとフォーシームの2種類の速球を軸に、カーブやチェンジアップを織り交ぜ、打者のバランスを崩す頭脳的なピッチングが持ち味でした。

背番号
26 (2004年 - 2014年途中)
29 (2014年途中 - 同年途中)
53 (2014年途中 - 同年終了)
35 (2015年)

代表歴
2006 WBCカナダ代表
2015年パンアメリカン競技大会カナダ代表

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