ジェフ・ボガード

ジェフ・ボガード：サウスタウンの亡き英雄

ジェフ・ボガードは、SNKの対戦型格闘ゲーム『餓狼伝説』シリーズに登場する、テリー・ボガードとアンディ・ボガードの養父です。ゲーム本編では既に故人として名前のみ登場しますが、その生涯は、シリーズ全体の物語を語る上で欠かせない重要な要素となっています。

強大な実力とサウスタウンの英雄

生前は、ギース・ハワードやヴォルフガング・クラウザーに匹敵、あるいはそれ以上の格闘技の腕前を持つ、サウスタウンの不世出の英雄として名を馳せていました。ギースと同様にサウスタウン最強の実力者と謳われた彼でしたが、その生き方は対照的でした。ギースが財力と権力で街を支配しようとしたのに対し、ジェフは自分の力を誇示せず、正当で真剣な勝負以外では決して闘うことはありませんでした。

タン・フー・ルーとの出会い、そして宿敵ギース

約15年前（1964～65年頃）、ジェフは中国の武術家、タン・フー・ルーのもとでギース・ハワード、チン・シンザンと共に八極聖拳を修行していました。3人は「闘神三兄弟」と呼ばれ、将来を嘱望されていました。しかし、チンは破門、ギースは継承者として認められず、ジェフのみがタン・フー・ルーから八極聖拳奥義書を受け継ぎました。このことが、ジェフとギースの確執の始まりとなります。ギースはジェフを深く恨み、その後の物語に暗い影を落とすことになります。

また、ジェフはクラウザーとも何らかの経緯で戦い、彼に額に消えることのない傷を負わせたといわれています。この傷を与えた技は、後にテリーも使うようになる「バーンナックル」だと推測されています。

ボガード兄弟とサウスタウンでの生活

1971～75年頃、ジェフはサウスタウンに戻り、孤児だったテリーとアンディ兄弟を引き取って育てました。テリーには自らの流派であるジェフ流喧嘩殺法やマーシャルアーツを伝授しましたが、アンディには体格の小ささを考慮して基礎的なものしか教えませんでした。

ギースとの最後の戦い、そして死

1982年、ジェフは自分の所有する八極聖拳奥義書を狙うギースに襲われ、命を落とします。この出来事が『餓狼伝説』シリーズの物語の始まりです。ジェフとギースの実力差については諸説ありますが、ギースが優勢だったという説と、テリーとアンディが人質に取られていたためにジェフが不利な状況だったという説があります。

ゲーム『バトルファイターズ餓狼伝説』では1981年、海の見える公園でテリーとアンディが近くにいる状態で、ギースの手によって殺害されたと描写されています。また、『餓狼伝説〜WILD AMBITION〜』のオープニングでは、ジェフがギースと対決して敗れる様子が初めて描かれました。

他の作品におけるジェフ

ジェフはプレイヤーキャラクターとして登場したことはありませんが、テリーとアンディ、そしてギースの因縁を語る上で欠かせない重要な存在です。そのため、関連する人物の紹介やストーリーを通じて、彼のキャラクター像は深く掘り下げられてきました。

様々なメディア作品で描かれるジェフの姿は、公式設定がなかったため、それぞれ異なっています。ゲーメストの付録漫画では、殺害直後の姿が描かれており、『龍虎の拳』シリーズではギースの陰謀に巻き込まれたり、ギースの行動を密かに調査したりする場面が登場します。『KOF XIV』のエンディングでは、タンの回想シーンに彼の後姿が登場します。アニメや漫画でも様々な姿で描かれており、そのどれもがジェフという人物像をより豊かにしています。

ジェフの技

ジェフの技は、主にテリーや他のキャラクターが使用する技の元になっていることが多いです。代表的なものとしては、テリーが使用する「パワーウェイブ」や「バーンナックル」があり、他にも「閃光拳」、「旋風拳」などが存在します。

結論

ジェフ・ボガードは、直接的にゲームに登場することは少ないものの、『餓狼伝説』シリーズ全体に大きな影響を与えた重要な人物です。彼の強さ、生き様、そしてギースとの因縁は、シリーズを通して語り継がれ、多くのファンを魅了し続けています。彼の存在は、ボガード兄弟の成長と物語の根幹を成していると言えるでしょう。

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