ジェム・オズデミル

ジェム・オズデミル：ドイツの政治を牽引するトルコ系移民のパイオニア

ジェム・オズデミル（Cem Özdemir）は、1965年12月21日生まれのドイツの政治家です。同盟90/緑の党|同盟90_緑の党に所属し、2021年からはショルツ内閣で食料・農業大臣を務め、2024年からは教育・研究大臣も兼任しています。彼はトルコ系移民出身者として初めてドイツ連邦議会議員および閣僚となり、2008年から2018年まで緑の党の共同党首を務めました。

生い立ちと教育

オズデミルは、バーデン＝ヴュルテンベルク州のバート・ウーラッハで、トルコ人移民の2世として生まれました。1983年にドイツ国籍を取得。社会教育学を学び、社会教育学士号を取得。その後、教師やフリーのジャーナリストとして活動しました。彼は政教分離主義のムスリムであり、アルゼンチン生まれのジャーナリストと結婚し、二児をもうけています。また、少年時代から菜食主義者でもあります。

緑の党での活動

1981年に緑の党に入党し、ルートヴィヒスブルクを拠点に政治活動を開始。1989年から1994年までバーデン＝ヴュルテンベルク州党代表部に所属しました。

ドイツ連邦議会議員としての活躍と辞職

1994年、ドイツ連邦議会選挙で初当選し、トルコ系移民出身者として初のドイツ連邦議会議員となりました。1998年からは党議員団の内政スポークスマンに就任。しかし、2002年に広告代理店からの献金や公用マイレージポイントの私的使用が発覚し、議員を辞職しました。

欧州議会議員としての活動

2004年、欧州議会選挙に出馬し当選。外交委員会に所属し、CIAによる捕虜の違法拘束調査の臨時委員会、北キプロス調停グループ、EU＝トルコ友好議連、反人種差別グループなどに参加。2007年にはシンクタンク「ヨーロッパ外交問題カウンシル」の共同設立者となりました。

緑の党党首として

2008年、緑の党党首選に出馬し、共同党首に選出されました。2013年にはドイツ連邦議会選挙で比例代表として当選し、連邦議会に返り咲きました。2017年の選挙では、緑の党の首相候補として出馬しました。

ショルツ内閣での入閣

2021年に発足したショルツ内閣では、食料・農業大臣として入閣。ドイツ初のトルコ系移民出身閣僚となりました。2024年11月には、教育・研究大臣を兼任することになりました。

著書

Ich bin Inländer. (1997)
Currywurst und Döner. (1999)
Deutsch oder nicht sein? (2000)
Die Türkei – Politik, Religion, Kultur. (2008)

ジェム・オズデミルは、ドイツの政治において重要な役割を果たしており、彼の活動は多岐にわたります。トルコ系移民としての背景を持ちながらも、ドイツ社会に深く根ざし、その多様性と包容性を象徴する存在として、多くの人々に影響を与え続けています。

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