ジェリコ・コムシッチ

ジェリコ・コムシッチ：ボスニア・ヘルツェゴビナの政治家

ジェリコ・コムシッチ（Željko Komšić、1964年1月20日生まれ）は、ボスニア・ヘルツェゴビナの政治家であり、現在、同国の大統領評議会でクロアチア人代表を務めています。彼は過去に7回、大統領評議会の議長を務めました。

経歴

サラエボ大学で法学士号を取得後、ワシントンD.C.のジョージタウン大学エドムンド・A・ウォルシュ外交大学院で学びました。ボスニア紛争ではボスニア・ヘルツェゴビナ共和国陸軍に従軍し、その功績から同国最高位の軍人勲章である黄金の百合勲章を受章しています。

戦後、ボスニア・ヘルツェゴビナ社会民主党 (SDP-BiH) に入党し、ノヴォ・サラエヴォ市の市会議員として政治活動を開始しました。2000年には同市市長に選ばれ、その後2年間サラエヴォの副市長を務めました。1998年に民主変革同盟が政権を握ると、駐ユーゴスラビア大使に任命されベオグラードに赴任しましたが、SDPが再び野党に転落した2002年の総選挙後に退任しました。コムシッチは、社会民主党の副代表の一人でもあります。

大統領評議会

2006年の総選挙で、コムシッチはSDPからクロアチア人大統領に立候補し、投票総数の39.6%にあたる11万6062票を獲得して当選しました。しかし、彼の当選は物議を醸しました。なぜなら、彼の主な支持基盤がボシュニャク人であったため、クロアチア人の間では、彼を正当な代表とはみなさない人々もいたからです。

2010年の総選挙でも、コムシッチは全体の60.6%にあたる33万7065票を獲得し、再選を果たしました。2022年10月2日執行の総選挙でも大統領評議会のクロアチア系メンバーに再選されています。

しかし、2022年12月22日に大統領評議会が次期閣僚評議会議長（首相）にボリャナ・クリシュトを選出した際、コムシッチは反対票を投じました。

論争

コムシッチの政治的な立場は、常に議論の的となってきました。特に、クロアチア人代表としての彼の正当性については、多くの疑問が投げかけられています。彼の支持基盤が主にボシュニャク人であるという事実は、クロアチア人社会の一部から反発を受けており、彼を「不正な代表」とみなす声も存在します。

まとめ

ジェリコ・コムシッチは、ボスニア・ヘルツェゴビナの政治において重要な役割を果たしてきた人物です。しかし、彼の政治的な立場や行動は、常に論争の的となっており、彼の存在はボスニア・ヘルツェゴビナの複雑な政治情勢を象徴していると言えるでしょう。

外部リンク

* ボスニア・ヘルツェゴビナ大統領府公式サイト

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