ジェレミー・ジアンビ

ジェレミー・ジアンビ：兄を持つメジャーリーガー、その光と影

ジェレミー・ディーン・ジアンビ（Jeremy Dean Giambi）は、1974年9月30日にカリフォルニア州サンノゼで生まれ、2022年2月9日に47歳で亡くなった元プロ野球選手です。彼は、メジャーリーグで400本塁打以上を記録した兄、ジェイソン・ジアンビの弟としても知られています。

プロ入りとロイヤルズ時代

1996年のMLBドラフトでカンザスシティ・ロイヤルズから6巡目で指名され、プロとしてのキャリアをスタートさせました。1997年には、A級とAA級で合計105試合に出場し、打率.326、16本塁打、73打点と目覚ましい成績を残しました。1998年にはAAA級で打率.372、20本塁打を記録し、同年メジャーデビューを果たしました。ロイヤルズでは18試合に出場し、打率.224ながら2本塁打を放ちました。

1999年には出場機会が増え、90試合に出場。打率.285、出塁率.373を記録し、その打撃センスを発揮しました。

アスレチックス時代：マネーボールの申し子

2000年、ジェレミーはオークランド・アスレチックスに移籍。アスレチックスではレギュラーとして活躍し、104試合で打率.254、10本塁打、50打点を記録しました。この時期、兄のジェイソンもアスレチックスに所属していたため、兄弟で同じチームでプレーするという貴重な経験をしました。

2001年には、124試合に出場し、打率.283、12本塁打、57打点、出塁率.391と、前年を上回る成績を残しました。特に、出塁率の高さは、当時セイバーメトリクスを重視していたアスレチックスにおいて高く評価され、彼は「マネーボールの申し子」と呼ばれるようになりました。映画『マネーボール』では、彼の役割をニック・ポラッツォが演じています。

フィリーズ時代とその後

2002年シーズン途中にフィラデルフィア・フィリーズに移籍し、この年、自身初の20本塁打を達成しました。しかし、2003年以降は成績が低迷し、メジャーの舞台から姿を消すこととなりました。

人物とプレースタイル：過小評価された才能

ジェレミーは、常に兄ジェイソンと比較され、また素行不良な面があったことから、現役時代は過小評価されてきました。しかし、メジャー通算で打率.263に対し、出塁率.377を記録しており、選球眼は一流と評価されています。アスレチックスでは、その出塁率の高さが評価され、チームに貢献しました。

一方で、守備と走塁は不得意とされており、『マネーボール』では、彼が外野で打球を追う姿を「狂犬から逃げまどう郵便配達人のよう」と形容されています。

早すぎる死

2022年2月9日、ジェレミー・ジアンビは47歳という若さでこの世を去りました。ロサンゼルスの保健福祉課は、死因を胸部を銃で撃ったことによる自殺と公表しました。彼の早すぎる死は、多くの人々に衝撃を与え、惜しまれました。

ジェレミー・ジアンビは、兄の陰に隠れながらも、自身の才能を発揮し、野球史に名を刻んだ選手でした。彼の野球人生は、光と影が入り混じったものでしたが、その記憶は多くの人々の心に残り続けるでしょう。

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