ジェロントロジー・リサーチ・グループ

ジェロントロジー・リサーチ・グループ（GRG）とは

ジェロントロジー・リサーチ・グループ（Gerontology Research Group、略称：GRG）は、1990年に設立された国際的な老年学研究者団体です。当初は老化研究の推進を目的としていましたが、特に110歳以上のスーパーセンテナリアン（超高齢者）の消息確認活動で広く知られています。GRGは、世界中のスーパーセンテナリアンの情報を収集・検証し、その記録を公表することで、老年学研究に貢献しています。

設立と活動

GRGは、L・スティーヴン・コールとスティーヴン・M・ケイによって共同設立されました。彼らは、スーパーセンテナリアン研究財団の理事長と会計も務めています。GRGの調査は、出生記録や結婚証明書などの公的な書類を基に行われ、その厳密な調査方法は、ギネス世界記録にも採用されています。また、ニューヨーク・タイムズも、GRGの調査結果をスーパーセンテナリアンの信頼できる情報源として認めています。

GRGは、当初は全ての哺乳類の寿命の限界を調査する目的で発足しましたが、1998年から1999年頃にかけて、スーパーセンテナリアンの生存確認を行う委員会を設立しました。現在、委員会は約80人のメンバーで構成され、生存が確認されたスーパーセンテナリアンの消息を追跡しています。

行政機関との見解の相違

日本では、厚生労働省などの行政機関が最高齢者を認定する際、本人や家族の意向で氏名を非公表とする場合があります。しかし、GRGは実名を掲載するため、行政機関との間で情報公開のずれが生じることがあります。例えば、沖縄県在住の知念カマ氏は、生前は氏名を非公表としていましたが、GRGのリストには名前が掲載されていました。

また、2011年に日本最高齢者だった長谷川チヨノ氏が死去した後、厚生労働省が発表した新たな最高齢者と、GRGが確認した最高齢者が異なるという事例もありました。その後、GRGが新たに大久保琴氏をリストに追加したことで、厚生労働省との見解が一致しました。このように、GRGと行政機関の間では、情報公開のタイミングや基準の違いにより、見解の相違が生じることがあります。

死亡日が確認できないケース

日本国内では、毎年9月に各都道府県の100歳以上の人口と最高齢者の情報が公表されますが、前年の最高齢者の死亡日が公表されないまま、次年の最高齢者が公表されるケースがあります。GRGでは、死亡日が確認できないケースや、生存が1年以上確認できないケースを「Limbo -- No recent confirmation alive」としてリストに掲載しており、その多くが日本人となっています。

関連組織

GRGの調査活動を補助する団体や、関連・類似する組織として、以下のものがあります。

ラテンアメリカン・スーパーセンテナリアン（LAS）
ヨーロッパ・スーパーセンテナリアン機構（ESO）
ロンゲビ・クエスト（Longeviquest）

Longeviquest

Longeviquestは、2022年に設立された長寿企業で、人類最高齢者の年齢検証における権威として知られています。世界の年齢検証の専門家と協力し、110歳以上のスーパーセンテナリアンの正確な年齢に関するデータベースを運営・公開しています。出生証明書や戸籍などの公的書類を基に検証を行い、2024年時点で世界全体で3000人の長寿者を認定し、そのうち日本人は660名余りです。また、日本を含む各地の長寿者を訪問する活動も行っています。Longeviquestは、多くの研究者のコラボレーションによって運営されており、現在の研究者の中には、元GRGメンバーも含まれています。また、欧州スーパーセンテナリアン機構（ESO）は、検証活動などを補助するパートナー組織です。

脚注

GRGは、スーパーセンテナリアンの情報を収集・検証する上で、非常に重要な役割を果たしており、その活動は、老年学研究の発展に大きく貢献しています。

関連項目

長寿
スーパーセンテナリアン

外部リンク

Gerontology Research Group（公式サイト〈英語〉）

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