ジェームズ・アビー

ジェームズ・エドワード・アビーの生涯と業績

概要
ジェームズ・エドワード・アビー（1883年7月17日 - 1973年11月11日）は、アメリカの写真家でありフォトジャーナリストとして名を馳せました。特に1920年代から1930年代にかけての映画界のスターたちを撮影し、その作品は今も多くの人々に影響を与えています。

初期の経歴

アビーはメイン州アルフレッドに生まれ、1910年には『ワシントン・ポスト』からの委託により、アメリカ海軍の艦隊に同行して写真を撮影しました。この航海で彼は初めて国際的に活動する写真家としての道を歩むことになります。その後、1920年代の終わりから1930年代にかけては、ヨーロッパを旅し、不安定な権力闘争の様子を記録しました。

映画スターの肖像

アビーの名声を確立したのは、特にニューヨークの舞台や映画界のスターたちの魅力を捉えた作品でした。彼はハリウッドやパリ、ロンドンでも多くの著名人を撮影し、その技巧は他の写真家たちに追随を許さないものでした。アビーは彼の作品を『ヴォーグ』や『ヴァニティ・フェア』に提供し、被写体たちの名声も高めることに寄与しました。

彼が撮影した著名な肖像には、サイレント映画時代に活躍したルドルフ・ヴァレンティノと妻ナターシャ・ランボヴァ、舞踏家のドーリー・シスターズやアンナ・パヴロワなどが含まれています。アビーはフォト・エッセイの形式で作品を発表する先駆者であり、『The London Magazine』や『Berliner Illustrirte Zeitung』などで寄稿を行いました。また、スペイン内戦やナチスの台頭時においても取材を続けました。

最大の成果と私生活

アビーの娘ティリーは「父の人生は映画にできる」と語っています。彼は多くの政治家や映画スターを撮影し、特にスターリンの肖像写真を撮ることに成功しました。この写真は、ソビエト連邦の独裁者の微笑みを捉えた貴重な一枚であり、同時にスターリンの死亡説を否定する内容でもありました。

アビーは4回結婚し、8人の子供を持っていました。最初の結婚相手エロイーズ・ターナーは短命で、続いて教師のフィリス・エドワーズと再婚し3人の子どもをもうけました。しかし、この結婚はアビーが映画の撮影で出会ったポリー・プラットとの関係により終わりを迎えました。続く結婚生活でも様々な困難に直面し、最終的にはアイリーン・ケイビーと再婚し、娘ティリーが生まれました。

著作と影響

アビーの作品は、1934年に出版された著書『I Photograph Russia』にまとめられており、70点以上の写真が収められています。また、他にも『Stars of the Twenties, Observed by James Abbe』や『James Abbe Photographer』などの写真集が出版され、彼の業績を後世に伝えています。

他の写真家たちに多大な影響を与え続けているアビーの作品は、今もなお多くの人々に感動を与えています。彼の生涯と作品は、20世紀の写真史において重要な位置を占め続けています。

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