ジェームズ・キャラハン

レナード・ジェームズ・キャラハン

レナード・ジェームズ・キャラハン（1912年3月27日 – 2005年3月26日）は、イギリスの著名な政治家であり、労働党の重要な人物でした。彼は財務大臣、内務大臣、外務・英連邦大臣を務めた後、1976年から1979年まで首相として国を導きました。キャラハンは「サニー・ジム」や「ビッグ・ジム」といった愛称で親しまれ、20世紀においてグレート・オフィス・オブ・ステートを経験した最初の政治家でもあります。

生い立ちと教育

キャラハンは、ポーツマスで誕生し、父・ジェームズはイギリス海軍の軍人でした。彼の家庭は厳しい時代に生きており、父が家出し、母と共に育てられます。キャラハンはポーツマス北中学を卒業後、1929年から税務署職員として働き始め、労働組合への関与を深めていきます。特に全国税務職員組合で副書記長を期間を持ち、労働運動の基礎を築きました。

政界のキャリア

1945年、キャラハンはカーディフ・サウス選挙区で労働党の庶民院議員に当選。その後、内閣内で数多くの重要なポジションを歴任します。ウィルソン政権下では財務大臣として国際収支赤字問題に取り組みますが、ポンドの防衛に失敗し、1967年に内務大臣に任命されました。さらに、外務・英連邦大臣としてはイギリスのヨーロッパ共同体（EEC）残留問題に対処します。この期間中、党内は非常に分裂しており、キャラハンは難しい立場に置かれました。

首相としての就任

1976年3月、前首相ハロルド・ウィルソンが辞任した後、キャラハンは労働党党首選挙に立候補し新首相に任命されました。彼の在任期間中、イギリスは「イギリス病」と呼ばれる経済危機に直面しており、ストライキやインフレが社会不安を引き起こしました。キャラハンは党内抗争の中、効果的な対策を打ち出すことができず、1979年には不信任案が可決され、首相職を退任しました。

退任後の活動

キャラハンは1980年まで労働党党首を務め、その後も庶民院議員として活動。1987年には一代貴族として「カーディフのキャラハン男爵」に叙せられ、政治活動からは引退しますが、国際的な核廃絶活動などには積極的に関与しました。彼の晩年にはOBサミットに参加し、各国の元首脳と交流するなど、豊かな経験を積んでいます。2005年には92歳でこの世を去り、彼の遺灰はロンドンのグレート・オーモンド・ストリート病院に散骨されました。

家族と私生活

キャラハンはオードリー・エリザベス・モールトンと結婚し、3人の子供をもうけました。長女マーガレット・アンは政治家として活動し、他の2人もそれぞれ家族を持ち、充実した人生を全うしています。キャラハンは労働党の重要な指導者としてだけでなく、温かい家族人としても知られ、彼の生涯はイギリス政治の重要な一部となりました。

もう一度検索