ジェームズ・スターリング (建築家)

ジェームズ・スターリング（Sir James Frazer Stirling, 1926年4月22日 - 1992年6月25日）は、20世紀後半のイギリスを代表する建築家の一人です。1960年代からその才能を開花させ、イギリス建築界において重要な存在となりました。

人物像と建築スタイル

スターリングの建築は、敬愛するル・コルビュジエなどモダニズム[[建築]]の影響を強く受けていますが、その表現はより色彩豊かで華やかです。当初は、予算の制約からレンガを多用していましたが、その後は石、タイル、スタッコなどの素材を好んで用い、それらを幾何学的に配置する手法が特徴的でした。特に、円形や曲線を用いたデザイン、そしてパステル調などのカラフルな配色によって、建築界に新たな風を吹き込みました。

スターリング自身はポストモダニズムの建築家と分類されることを必ずしも望んでいませんでしたが、その作品はポストモダニズムの潮流を代表するものとして広く認識されています。

生い立ちとキャリア

1924年、スコットランドのグラスゴーで生まれたスターリングは、リバプールで育ちました。第二次世界大戦では空挺隊員としてノルマンディー上陸作戦に参加し負傷。戦後、傷病兵士向けの奨学金を得てリバプール大学で建築を学びました。

大学卒業後、ロンドンに自身の建築設計事務所を開設し、1960年前後から本格的に活動を開始しました。初期の代表作としては、レスター大学工学部ビル（1959年-1963年）やケンブリッジ大学歴史学部（1964年-1967年）などが挙げられます。

1975年には、デュッセルドルフのノルトライン・ヴェストファーレン美術館の建築設計競技に参加し、円形の中庭を建物中央に配した斬新な設計案を提案して注目を集めました。このコンペでは落選したものの、同様のコンセプトを発展させたシュトゥットガルト州立美術館新館を1984年に完成させ、その名声を不動のものとしました。

シュトゥットガルト州立美術館新館は、新古典主義様式の旧館に隣接して建設され、その対比が話題となりました。その後、スターリングはドイツを中心に、世界各地で数多くの建築を手がけ、その人気と評価は高まる一方でした。

受賞と晩年

1981年には、建築界のノーベル賞とも称されるプリツカー賞を受賞し、その功績が世界的に認められました。1992年にはナイト爵を授与されましたが、その直後に持病の手術を受け、手術後に急逝しました。

スターリングの死後、彼の業績を記念して、イギリスの最も権威ある建築賞の一つであるスターリング賞が1996年に創設されました。この賞は、英国王立建築家協会（RIBA）が主催し、その年の最も優れた英国建築作品に与えられます。

主な作品

レスター大学工学部ビル (1959-1963)
ケンブリッジ大学歴史学部 (1964-1967)
シュトゥットガルト州立美術館新館 (1984)
その他

受賞

プリツカー賞 (1981)

外部リンク

プリツカー賞ウェブサイト：ジェームズ・スターリング

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