ジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアート

ジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアート

生い立ち

ジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアート（1688年6月10日生まれ）は、イングランド王ジェームズ2世（スコットランド王ジェームズ7世）とその2番目の王妃であるメアリー・オブ・モデナの子供として、セント・ジェームズ宮殿で誕生しました。彼はジェームズ2世の次男であり、異母姉にはメアリー2世やアン、異母兄にはジェームズ・フィッツジェームズ、同母妹にはルイーザ・マリア・テレーザがいます。

ジェームズの誕生は歴史的な関心を集めました。カトリックである父親が専制的な政治を行う中、カトリック王としては一代限りとされていたため、彼は王位を巡る派閥の中心となる運命を持っていました。しかし、王妃が死産であるとする噂が生じ、その後の名誉革命を経て家族はフランスに亡命することになります。

フランスでの生活と王位請求

フランスでは、ジェームズはルイ14世の庇護を受けて正統な王位継承者として育てられました。1701年、父が亡くなると、彼は“王位”を継承し、ジャコバイトの重要な指導者として台頭します。1708年、フランスの援助を受けてスコットランドに進軍する計画を立てますが、改宗を拒んだため、イングランド艦隊に直面し、計画は失敗に終わります。

1714年には異母姉の死を迎え、プロテスタントであるハノーファー選帝侯ゲオルク・ルートヴィヒが王位につきます。これにより、ステュアート家の王位復権はさらに厳しい状況に置かれました。

結婚と家族

1719年にはメアリー・クレメンティナ・ソビエスカと結婚し、2人の息子、チャールズ・エドワード・ステュアート（後の“ボニー・プリンス・チャーリー”）とヘンリー・ベネディクト・ステュアートが生まれました。彼は一家を通じてステュアート家の存続に努めましたが、復権の努力は続きませんでした。

反乱と失敗

1715年、ジェームズはスコットランドで反乱を起こすものの、病気により失敗に終わります。30年後の1745年、息子のチャールズが再度反乱を試みますが、これも成功せず、ステュアート朝の復権への道は閉ざされました。

最後の時

ジェームズは1766年1月1日にローマで死去し、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂に埋葬されました。彼の生涯は、王位請求の歴史の中で重要な一幕を形成し、後の世代に多くの影響を与えました。彼の存在は、ジャコバイト運動のシンボルとして今なお語り継がれています。

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