ジェームズ・ブラッドリー

ジェームズ・ブラッドリーの生涯と業績

ジェームズ・ブラッドリー（James Bradley, 1693年3月 - 1762年7月13日）は、イギリスの著名な天文学者であった。彼は、光行差と主要章動の発見で知られ、またグリニッジ天文台の第3代台長としても名を馳せた。

初期の生涯

ブラッドリーはイギリスのグロスターシャーで生まれ、1711年からオックスフォード大学のベイリオル・カレッジで学び、そこでの学問の道を進み始めた。彼は1718年にロンドンの王立協会フェローに選出され、天文学の研究を続けながらその名声を高めていった。1719年には牧師の職に就いたが、1721年にはオックスフォード大学のサヴィル教授として任命され、教会の職を辞した。この移行は彼が天文学の研究に専念するための大きな一歩を象徴していた。

天文学者としての業績

1742年には、エドモンド・ハリーの後を受けて王室天文官としてグリニッジ天文台の台長に就任し、その後の科学的進展に大いに寄与した。彼の最も注目すべき発見は1728年に実現した光行差の発見である。ブラッドリーは1725年から、ロンドンの郊外に自身の望遠鏡を設置し、りゅう座γ星の観測を始めた。当時、ブラッドリーはこの星の赤緯の変化を調べることで、年周視差を見つけ出すことを期待していたが、実際には光行差の存在を確認する結果となった。この発見により、ブラッドリーは光速度を約301,000km/sと計算することにも成功した。

さらに1748年には、18.6年周期の章動を発見。これは、光行差の検証を目的とした20年間にわたる観測の結果として得られたもので、ブラッドリーはこの発見によって位置天文学の基礎を確立することとなった。彼はまた、多くの精密な観測を重ね、星表を編纂することに尽力し、その結果として今も評価される天文学の基本的なデータが整備された。

記念の小惑星

彼の卓越した業績は、科学界において高く評価されており、ブラッドリーの名前を冠した小惑星 (2634) ジェームズ・ブラッドリーが命名されている。この小惑星は、彼の天文学における業績を記念し、未来の世代にもその影響を伝えるものとなっている。

ブラッドリーの生涯は、科学界において重要な転機をもたらしたものであり、彼の遺産は現代の天文学の発展に寄与している。彼の発見した光行差や章動は、今後の研究や観測技術の進展にも大きな影響を与えることだろう。

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