ジェーン・ブラロック

ジェーン・ブラロック：LPGAを彩った名ゴルファー

ジェーン・ブラロック（Jane Blalock, 1945年9月19日 - ）は、ニューハンプシャー州ポーツマス出身のアメリカ合衆国の元女子プロゴルファーです。1969年からLPGAツアーに参戦し、通算27勝を挙げるなど、輝かしい実績を残しました。

アマチュア時代

ブラロックは13歳でゴルフを始め、その才能を開花させます。1965年からはニューハンプシャー・アマチュア大会で5連覇を達成。1968年にはニューイングランド・アマチュア大会でも優勝するなど、アマチュアゴルフ界でその名を轟かせました。また、フロリダ州のローリンズ・カレッジで歴史の学位を取得し、学業とゴルフを見事に両立させました。1969年には、LPGAバーディンズ・インビテーショナルにアマチュアとして出場し、5位タイという好成績を収め、プロへの扉を開きます。

プロ転向後

1969年にプロに転向したブラロックは、その年のLPGAルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、鮮烈なデビューを飾ります。1970年には初勝利を挙げ、その後も順調に勝利を重ね、1980年までに25勝を記録しました。特筆すべきは、その間一度も予選落ちを経験しなかったことであり、299大会連続決勝ラウンド進出という記録は、LPGAのツアーレコードとして今もなお輝いています。

1981年から1984年にかけては勝利から遠ざかりましたが、1985年には2勝を挙げ、健在ぶりを示しました。1986年にフルシーズン参戦から引退しましたが、その功績は色褪せることはありません。

メジャー大会での優勝こそありませんでしたが、全米女子プロゴルフ選手権で2度2位になるなど、常に上位争いを繰り広げました。1972年のコルゲート・ダイナ・ショア大会で優勝していますが、同大会がメジャーに昇格する以前の出来事でした。

通算27勝という成績は、現在の世界ゴルフ殿堂入りの資格を満たしていますが、このシステムが導入されたのはブラロックの引退後であり、今後の殿堂入りは、審査するベテランズ委員会の判断に委ねられています。

不正行為疑惑と訴訟

1972年中頃、LPGA理事会はブラロックを不正行為を行ったとして告発しました。ボール位置をグリーンにマークする際、少しカップに近づけて置いたことが何度かあったというものでした。当初、ブラロックは告発を否定していましたが、後に釈明。しかし、容疑を認めていると感じた人々もいました。最終的に、彼女は1年間の出場停止処分を受けましたが、プレーを続けるために訴えを起こし、訴訟によりLPGAが独占禁止に違反していることが判明。この一件は、初のツアー・コミッショナー雇用につながるなど、LPGAの歴史に大きな影響を与えました。

引退後

引退後、ブラロックはゴルフイベントのマネージメント会社を所有し、女性のためのLPGAゴルフ・クリニック講座を始めました。また、女子シニアゴルフツアー（現在はレジェンド・ツアーと呼ばれている）の設立に尽力するなど、ゴルフ界の発展に貢献しています。彼女はニューイングランド・スポーツ殿堂のメンバーでもあります。

ジェーン・ブラロックは、その卓越した技術と不屈の精神で、LPGAの歴史に名を刻んだ偉大なゴルファーです。

LPGAツアー優勝歴

1970年：1勝
1971年：2勝
1972年：コルゲート・ダイナ・ショア大会など4勝
1974年：4勝
1975年：1勝
1976年：2勝
1977年：2勝
1978年：4勝
1979年：4勝
1980年：1勝
* 1985年：マツダジャパンクラシックなど2勝

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