ジグジドゥ・ムンフバト

ジグジドゥ・ムンフバト：モンゴル初のオリンピックメダリスト、そして白鵬の父

ジグジドゥ・ムンフバト（Жигжидийн Мөнхбат, Jigjidiin Mönkhbat, 1941年6月1日 - 2018年4月9日）は、モンゴル国が生んだ伝説的なスポーツ選手です。彼はモンゴル人として初めてオリンピックメダルを獲得し、国民的英雄として知られています。

スポーツ選手としての輝かしい経歴

ムンフバトは、ブフ（モンゴル相撲）の力士として、最高位であるアヴァルガにまで上り詰めました。その後、レスリング選手として国際舞台へ進出し、1964年の東京オリンピックから5大会連続でオリンピックに出場するという偉業を達成しました。

彼のキャリアにおける最大のハイライトは、1968年のメキシコオリンピック・レスリングフリースタイル87kg級での銀メダル獲得です。このメダルはモンゴルにとって初のオリンピックメダルであり、彼の名声は不動のものとなりました。

白鵬の父としての顔

日本では、大相撲の横綱である白鵬（ムンフバティーン・ダワージャルガル）の実父としても広く知られています。息子の白鵬が角界で活躍するにつれて、ムンフバト自身も「白鵬の父は偉大だった」という見出しでメディアに取り上げられる機会が増え、再び注目を集めるようになりました。

ムンフバトはしばしば来日し、白鵬を激励しました。大関昇進の際には、「ただ強いだけでは駄目だぞ」とアドバイスを送ったと伝えられています。トップアスリートとしての経験を持つムンフバトならではの言葉は、国や文化を超えて多くの人々に感銘を与えました。

その他の功績と晩年

ムンフバトは、モンゴルの国技であるナーダムで通算6度の優勝を果たしています。2007年には、日蒙外交樹立35周年を記念して、息子である白鵬と共に特別講演会に出演し、「強いだけでは意味が無い。優しい心をもってこその横綱だ」と語りました。

2018年4月9日、ムンフバトは肝臓病のため、ウランバートルの自宅で76歳で生涯を閉じました。亡くなる直前には、それまで反対していた白鵬の日本国籍取得を後押しするようになったと伝えられています。

ムンフバトの足跡

1964年：22歳でブフ最高位アヴァルガに昇進
1964年：東京オリンピック出場
1968年：メキシコオリンピックで銀メダル獲得
1985年：息子のダワージャルガル（後の白鵬）が誕生

日本のテレビ出演

2006年3月10日：とくダネ! - モンゴルの実家紹介（白鵬と共演）
2006年5月1日：グレートマザー物語 - 白鵬の母にスポットを当てた番組

ジグジドゥ・ムンフバトは、モンゴルスポーツ界のパイオニアとして、そして偉大なアスリートの父として、その名を歴史に刻んでいます。

外部リンク

ジグジドゥ・ムンフバト - International Wrestling Database （英語）
ジグジドゥ・ムンフバト - Olympedia（英語）
* グレートマザー物語 第231回白鵬の母 - ウェイバックマシン（2016年3月5日アーカイブ分）

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