ジグソウ (マーベル・コミック)

ジグソウ：歪んだ顔に潜む復讐心

ジグソウは、マーベルコミックに登場する、パニッシャーの宿敵として知られるヴィランです。初登場は『アメイジング・スパイダーマン』162号（1976年）。レン・ウェインとロス・アンドリューによって創造されました。

生い立ちと変貌

その昔、ビリー・ルソーという名で知られた彼は、その整った顔立ちから「男前」と評されるほどの美男子でした。マギアという犯罪組織に所属し、凄腕の暗殺者として恐れられていました。しかし、フランク・キャッスル（後のパニッシャー）の家族が巻き込まれたギャングの抗争事件後、ルソーはブルーノ・コスタに雇われ、ターゲットを次々と殺害していきます。しかし、キャッスルは奇跡的に生き延び、復讐を誓うパニッシャーとして活動を開始します。

パニッシャーとなったキャッスルは、ルソーを追跡し、マギアが経営するナイトクラブに乗り込みます。激しい戦いの末、ルソーは窓から投げ飛ばされ、その顔はガラス片でズタズタに引き裂かれるという悲惨な状態になります。医師たちの治療の甲斐もなく、ルソーの顔はジグソーパズルのように醜い姿になってしまいました。この衝撃的な変貌と、パニッシャーへの復讐心から、ルソーは自らを「ジグソウ」と名乗り、その恐ろしい顔を武器に、再び殺し屋として活動を開始します。

復讐と敗北の繰り返し

ジグソウは、当初はスパイダーマンやナイトクローラーに邪魔をされ、パニッシャーへの復讐を遂げることができませんでした。その後も、パニッシャーを毒殺しようとしたり、刑務所で殺害しようとしたりしましたが、ことごとく失敗に終わります。さらに、トラストという組織に洗脳され、パニッシャー風の暗殺部隊の一員として働かされたこともありますが、パニッシャーと再会したことで洗脳から解放され、再びパニッシャーに戦いを挑みますが敗北します。

悪霊崇拝者であるリブによって顔を治癒してもらう代わりに彼の僕として働き、犯罪を重ねますが、パニッシャーによってリブが殺害されたため、またもとの顔に戻ってしまいます。その後、リブと彼の師であるルシファー（正体は黒魔術師ベラスコ）によって蘇生し、再びパニッシャーに挑むも、敗北し、顔はさらにひどい状態になりました。

メディアでの活躍

ジグソウは、実写映画やドラマ、ビデオゲームなど、様々なメディアでその姿を見せています。

映画:
『パニッシャー: ウォー・ゾーン』（2008年）では、ドミニク・ウェストがビリー・ルソー／ジグソウを演じました。ここでは、パニッシャーとの戦いでガラス粉砕機に落下し、顔面がズタズタになるという、原作を彷彿とさせる展開が描かれています。
ドラマ:
『Marvel パニッシャー』（2017年）では、ベン・バーンズがビリー・ルッソを演じています。このドラマでは、ルッソはパニッシャーの元親友であり、アンヴィルという民間軍事会社の経営者として登場します。ケルベロス作戦という事件でパニッシャーの家族を失うきっかけを作った張本人として描かれ、シーズン1の最後で顔面を損傷し、ジグソウへと変貌を遂げる過程が描かれています。
ビデオゲーム:
カプコンが製作したベルトスクロールアクションゲーム『パニッシャー』（1993年）では、6面の中ボスとして登場。
* 『The Punisher』（2005年）では、ラスボスとして登場し、パニッシャーと激闘を繰り広げます。

ジグソウは、その醜く歪んだ顔と、パニッシャーへの執念深い復讐心によって、読者に強い印象を与えるヴィランです。彼の登場は、パニッシャーの物語に深みを与え、より複雑な人間関係を描き出す上で重要な役割を担っています。

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