ジスプロシウムの同位体

[ジスプロシウム]とその同位体の概要

ジスプロシウム（Dy）は周期表でランタン系列に属する希土類元素で、多様な同位体を持つことで知られています。この元素の自然界に存在する安定同位体は7つあり、それぞれ156、158、160、161、162、163、164Dyと呼ばれています。その中で最も豊富に存在するのは164Dyで、天然における存在比は28.18%に達します。

放射性同位体の種類

ジスプロシウムには安定同位体の他に28種類の放射性同位体も存在しています。これらの中でも最も安定しているのが154Dyで、その半減期は約300万年と非常に長寿命です。逆に、159Dyの半減期は144.4日、166Dyは81.6時間というように、短いものも多く、その他の放射性同位体はほとんどが10時間以内で崩壊します。特に短命の同位体は30秒以内で公転するものが大半です。

また、ジスプロシウムには5つの核異性体も存在しており、その中で安定しているものには165mDyと147mDy、145mDyが含まれています。これらの安定同位体はそれぞれ、半減期が1.257分、55.7秒、13.6秒に設定されています。

同位体の崩壊メカニズム

ジスプロシウムの同位体がどのように崩壊するかについても興味深い事実があります。156Dyより軽い同位体は電子捕獲を通じてテルビウムに変わり、一方164Dyより重い同位体はベータ崩壊によりホルミウムに変わります。このような崩壊メカニズムは、元素の安定性や放射能の特性を理解する上で非常に重要です。

標準原子量

さらに、ジスプロシウムの標準原子量は162.500(1) uとして公表されています。この数値は、元素の同位体の相対的な質量を基準に算出されたものであり、同位体の研究や化学的特性に大きな影響を与えます。

参考文献

ジスプロシウムおよびその同位体に関する情報は、さまざまな科学的文献から得られています。その中には、Ame2003 Atomic Mass EvaluationやIUPACの報告書「Atomic weights of the elements」「Atomic Weights Revised」などが含まれます。それに加え、NuDatデータベースやCRC Handbook of Chemistry and Physicsも重要な情報源となります。

このように、ジスプロシウムは多様な同位体を持ち、これらの性質を知ることで、化学や物理学の理解が深まります。

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