ジブラルタル・ポンド

ジブラルタル・ポンドは、イギリスの海外領土であるジブラルタルで発行されている通貨です。この通貨は、イギリス本国のスターリング・ポンドと等価であり、ジブラルタル内では両替が可能です。硬貨の鋳造と紙幣の発行は、ジブラルタル政府によって行われています。

歴史

1704年にジブラルタルが占領されてからも、スペインの貨幣が流通していましたが、スペインとの交換比率が異なるなどの混乱が見られました。また、イギリス本国から輸入された貨幣も使用されていました。

1872年にはスペイン貨幣が単独の法定通貨となりましたが、1889年に米西戦争の影響でスペイン・ペセタが暴落したため、イギリス本国のスターリング・ポンドに切り替えられました。この時、ポンドが単独の法定通貨となりましたが、スペイン内戦まではスペイン貨幣も引き続き使用されていました。

1971年には、本国に合わせて10進法（1ポンド＝100ペンス）が導入されました。ジブラルタル独自の紙幣は1927年から発行され始め、1988年からは硬貨の鋳造も開始されています。

イギリス本国での地位

ジブラルタルのポンド紙幣は、イギリス本国では法的な強制通用力を持っていません。理論上は等価交換が可能ですが、イギリス本国の銀行では交換を受け付けないか、外貨両替扱いとなることが一般的です。

硬貨に関しては、デザインが異なるものの、重量、サイズ、材質は全て本国と同一であり、イギリス本国でも稀に流通していることがあります。

紙幣

1914年、第一次世界大戦勃発に伴い、ジブラルタルは金の流出を防ぐために戦時布告による臨時紙幣を発行しました。1927年には、10シリング、1、5ポンド紙幣が正式に発行され、1975年には10、20ポンド紙幣、1986年には50ポンド紙幣が発行されました。このうち、10シリング紙幣（1971年）と1ポンド紙幣（1988年）は廃止され、硬貨に置き換えられています。

1995年に紙幣のデザインが一新され、「pounds sterling」の表記が「pounds」に変更されました。2010年から2011年にかけて再びデザインが改められ、現在は5、10、20、50、100ポンドの5種類が発行されています。

硬貨

1988年以降、1、2、5、10、20、50ペンスおよび1ポンド硬貨が発行され、1999年には2ポンド硬貨、2010年には5ポンド硬貨が導入されました。これらの硬貨は、大きさや組成が本国のスターリング・ポンドと同じですが、デザインが異なり、ジブラルタルの名称が記載されています。

2ポンド硬貨は、毎年ヘラクレスの12の功業に因んだ異なるデザインで鋳造されています。2004年には、イギリス領300周年を記念した硬貨が鋳造されました。

為替レート

ジブラルタル・ポンドは、イギリスのスターリング・ポンドと固定レートで交換されます。そのため、為替レートは常に1:1となります。

関連項目

スターリング・ポンド
ジブラルタル

外部リンク

* ジブラルタル政府公式サイトのURL'>ジブラルタル政府公式サイト

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