ジミー・ハスリップ

ジミー・ハスリップ（Jimmy Haslip）は、1951年12月31日にアメリカ合衆国ニューヨーク州で生まれた、フュージョン界を代表するベーシスト、コンポーザー、そして音楽プロデューサーです。

彼のキャリアは多岐にわたり、特に優れたセッション・ミュージシャンとして知られています。ギタリストのロベン・フォードをはじめ、数多くの著名なアーティストたちのレコーディングやライブに貢献し、その確かなテクニックと音楽性で厚い信頼を得てきました。

ジミー・ハスリップの名前を広く知らしめたのは、フュージョン界のトップグループであるイエロージャケッツの創設メンバーとしてです。彼はバンドの結成初期から長きにわたり、その中心的な存在としてボトムを支え続け、グループのサウンドを形成する上で不可欠な役割を果たしました。しかし、2012年1月、ハスリップはイエロージャケッツからの脱退を発表。後任には、伝説的なベーシスト、ジャコ・パストリアスの息子であるフェリックス・パストリアスが迎えられることとなりました。

イエロージャケッツ以外にも、彼は様々なプロジェクトで精力的に活動しています。ロベン・フォードやヴィニー・カリウタといった実力派ミュージシャンと共に結成したバンド、ジン・チ（Jing Chi）や、レネゲイド・クリエイション（Renegade Creation）などでの活動を通じて、常に新しい音楽的探求を続けています。

プレイヤーとしてのジミー・ハスリップの大きな特徴は、その演奏スタイルにあります。彼は左利きであり、左利き用のベースを使用しますが、弦の張り方が非常にユニークです。通常、ベースの弦は低音弦が上側に、高音弦が下側に来るように張られますが、ハスリップはこれを逆向きに、つまり高音弦が上側、低音弦が下側になるようにセットしています。この一般的な左利き奏者とも異なる独特の弦の配置が、彼独自のフィンガリングやアプローチを生み出し、唯一無二のサウンドの源となっています。

ソロ活動も行っており、自身のリーダー作を発表しています。また、コンポーザーやプロデューサーとしても多くの作品に関わっており、その音楽的才能は演奏家という枠に収まりません。

ジミー・ハスリップは、その卓越した演奏技術、作曲能力、そしてプロデュース手腕によって、長年にわたり音楽シーンに貢献し続けている、真のレジェンドと言える存在です。

ディスコグラフィ

ソロ・アルバム

『アーク』 - _Arc_ (1993年、GRP)
_Red Heat_ (2000年、Unitone)
_Nightfall_ (2010年、Vie Records) ※with Joe Vannelli

ジン・チ (Jing Chi)

『ジン・チ』 - _Jing Chi_ (2001年、Tone Center) ※ヴィニー・カリウタ、ロベン・フォード、ジミー・ハスリップ名義
『ライヴ!』 - _Live!_ (2003年、Tone Center)
『3D』 - _3D_ (2004年、Tone Center)
『スプリーモ』 - _Supremo_ (2017年、Inakustik Quality Of Music)

レネゲイド・クリエイション (Renegade Creation)

『ブレット』 - _Bullet_ (2012年、Blues Bureau International)

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