ジム・アンブリット

ジェームズ・アンブリット（James Umbricht, 1930年9月17日 - 1964年4月8日）は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身の元プロ野球選手です。主に投手として活躍し、右投右打でした。メディアによっては「アンブリクト」と表記されることもあります。

現役時代は、ミルウォーキー・ブレーブス、ピッツバーグ・パイレーツ、ヒューストン・コルト45's（現ヒューストン・アストロズ）に所属しました。元々は遊撃手でしたが、プロ入りを機に投手に転向しています。

1959年にパイレーツでメジャーデビューを果たし、1961年オフにはエクスパンションドラフトでコルト45'sへ移籍。新天地での1962年には、救援専門として34試合に登板し、4勝0敗2セーブ、防御率2.01、55奪三振という好成績を記録しました。

しかし、1963年のキャンプ中に右足の付け根に癌が見つかり、手術を受けることになります。驚異的な回復を見せ、同年5月には戦列に復帰。35試合に登板し、4勝3敗、防御率2.61、48奪三振と、再び救援投手としてチームに貢献しました。同年9月29日のシーズン最終戦では勝利投手となり、これが生涯最後の登板となりました。

癌との闘病生活は、アンブリットの体を蝕み続け、現役続行は困難となりましたが、1963年末にはスカウトとしてチームに残ることが決まりました。1964年1月には、フィラデルフィアの記者協会から「最も勇気あるスポーツ選手」として表彰され、その席でアンブリットは、病気と手術を神からの試練と捉え、感謝の言葉を述べました。「我々の多くはノンビリと時間を過ごすことがないので、自分を見つめることがない。しかし、私は病院のベッドで自分を見つめ直し、より良い人間になったと思う」という彼の言葉は、多くの人々に感動を与えました。

しかし、病状は悪化し、1964年3月16日に再入院。同年4月8日、33歳の若さでこの世を去りました。担当医師は、「アンブリットは、最後まで希望を失わないで闘病していた。他の患者のお手本になる立派な患者だった」と語っています。

アンブリットの死を悼み、球団は1964年にユニフォームの袖に喪章を付けました。さらに、アストロズと名称を変えた1965年4月12日には、アンブリットが在籍2年間で着用した背番号『32』が、チーム初の永久欠番に指定されました。

投手としての持ち球は、カーブ、スライダー、チェンジアップでした。

詳細情報
年度別投手成績
背番号：34（1959年）、37（1960年 - 1961年）、45（1962年 - 同年途中）、32（1962年途中 - 1963年）

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