ジム・エバンス審判学校

ジム・エバンス審判学校（Jim Evans Academy of Professional Umpiring）

ジム・エバンス審判学校は、メジャーリーグベースボール（MLB）によって正式に公認された、数少ないプロ野球審判員養成学校の一つです。アメリカ合衆国フロリダ州キシミーに位置し、毎年冬期の特定期間、集中的な研修プログラムを提供しています。

所在地と開校時期

本校はフロリダ州キシミーにあります。毎年、年明けの1月第一週から約5週間にわたり開校され、厳しいカリキュラムが実施されます。研修の拠点となるのは、MLB球団であるヒューストン・アストロズが春季キャンプを行う「The Osceola County Stadium and Sports Complex」という充実した施設です。ここでは、座学と実践的なフィールドトレーニングの両方が行われます。

指導体制

学校を率いるのは、長きにわたりメジャーリーグの舞台で審判を務めたジム・エバンス氏が校長です。指導にあたるインストラクター陣は20名以上にのぼり、その全員がマイナーリーグで現役として活躍する審判員であり、かつ当ジム・エバンス審判学校の卒業生でもあります。自らの経験に基づいた実践的な指導は、受講生にとって非常に貴重な財産となります。

カリキュラム内容

研修内容は多岐にわたり、プロフェッショナルな審判員として必要な知識と技術の習得を目指します。主な項目は以下の通りです。

公認野球規則の学習: 公認野球規則のうち、記録に関する第10章を除く全ての条項について、その内容と適用方法を徹底的に学びます。
基本動作とフォーメーション: 球審および塁審としての基本的な動き方、そして2人制審判におけるフォーメーションや役割分担などを習得します。
フィールドドリル: 上記の座学の内容と並行し、実際のフィールドでドリル形式の実技訓練を重ね、習得度を高めます。反復練習を通じて、動きや判断力を体に染み込ませます。
投球判定練習: 打撃ケージを使用した投球判定練習はほぼ毎日行われます。ただし、実践的な判定は訓練期間の後半からとなり、前半は判定に不可欠なスロットポジションの取り方や視線の使い方といった基本動作の習得に重点が置かれます。
キャンプゲーム: 訓練期間の終盤、残り約10日ほどになると、実際の試合を想定した「キャンプゲーム」が開始されます。ここでは受講生はパートナーと2人組となり、試合形式で審判実務を行います。このキャンプゲームでのパフォーマンスは厳しく評価され、将来的にマイナーリーグ審判員として契約できるかどうかの重要な選考基準となります。

特徴

ジム・エバンス審判学校は、アメリカ国内のプロ審判を目指す人々のための主要な養成機関であると同時に、日本のプロ野球、特にパシフィック・リーグの審判員が留学し、研修を受ける場としても知られています。国際的な交流の場ともなっており、高いレベルの審判技術を学ぶことができます。

関連情報

MLB公認の審判学校としては、他にハリー・ウェンデルステッド審判学校やビル・キナモン審判学校、ジョー・ブリンクマン審判学校などがあります。

外部リンク

Jim Evans Academy of Professional Umpiring
* UDC（当審判学校の卒業生により設立された審判組織）

この学校は、プロ野球審判員としてのキャリアを目指す人々にとって、厳しくも貴重な学びの機会を提供しています。

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