公認野球規則

公認野球規則

公認野球規則とは、日本における野球の公式ルールを定めた文書で、またその文書に基づく書籍を指します。この規則は、大筋でアメリカのメジャーリーグベースボール（MLB）の公式野球ルールである「Official Baseball Rules」を訳したものであり、日本独自の注釈や軟式[[野球]]に関する情報が付加されています。

改定について

アメリカの野球規則委員会による「Official Baseball Rules」の改訂は、日本側の意見を聞くことなく行われます。そのため、改訂のタイミングを合わせることも意図されておらず、通常はアメリカの変更が翌年に公認野球規則に反映される形で追従しています。しかし、1957年の日本の改定がきっかけで、1975年にアメリカでも採用されたルールも存在します。つまり、両国にはそれぞれ独自のルールが設定されており、日本の規則はアメリカのものを参考にしつつも、その国の状況に合わせたものなのです。

なお、アメリカでは必要に応じてルールの改定が行われますが、その内容が国外に通知されることは少なく、最新のルールはウェブ上で一般公開されています。反面、日本側ではアメリカの方針に従い、自国の判断で改定を実施するため、場合によっては改定時期がずれることが少なくありません。

日本の規則がアメリカのそれとは必ずしも一致しない状況もあるため、片方のルールに従っていてももう片方には合致しないことがあるという問題も指摘されています。具体例として、エスコンフィールドHOKKAIDOのファウルゾーンの距離が問題視されたことがあります。この球場は日本国内にありながらアメリカの基準で設計されたため、日本の規則には適合していませんでした。最終的には、日本ハム球団が日本の規則に基づく改修を行うことを約束しつつ、2023年の試合で日本野球規則委員会から指摘がなされました。球団はNPBに対して協力金を支払うことでこの問題を解決することになりました。この一連の出来事を受けて、両国家の規則が完全に一致しない部分については今後時間をかけて検討し合意に至ることが決まりました。

沿革

日本の野球規則は、プロとアマチュアで異なるルールが使われていた時期があり、以下のような経過を経てきました。

プロ[[野球]]

• - 1936年: 「最新野球規則」に改正を加え施行
• - 1941年: アメリカの改正ルールを基にした「日本野球規則」を編纂
• - 1951年: セ・パ両リーグ合同野球規則協議会が開かれ、「1950年改訂最新野球規則」に加筆
• - 1953年: アメリカのルール改正を基に「最新野球規則」を制定

アマチュア野球

• - 1950年: 社会人野球協会、日本学生[[野球協会]]と全日本[[軟式[[野球]]連盟]]が「アマチュア野球規則」を制定
• - 1951年: さらに全日本大学[[野球連盟]]と全国高等学校野球連盟が加わり、「公認野球規則」と呼ばれるようになる

プロ・アマ統一

• - 1955年: プロとアマのルールの一本化を目指す合意が形成
• - 1956年: 共同で「1956年版公認野球規則」が制定され施行される

それ以降も、国内外の状況に応じて規則の見直しが行われ続けています。日本[[野球機構]]の下には「日本野球規則委員会」が置かれ、ルールの改定や解釈上の疑問に対応しています。

内容

公認野球規則は、著作権の関係から各章の表題のみが公開されているため、詳細な内容は書籍として購入しなければなりません。2015年に「Official Baseball Rules」の構成が変更された際、日本でも2016年度版から条文構成が改められています。この規則には、試合の目的や条件、用具、試合の進行に関する条項など、多岐にわたる内容が含まれています。

書籍としては2006年から市販が開始され、中身は一部の関係者のみに提供されていたこともありますが、今や広く一般に利用可能となっています。これにより、多くの野球ファンが公認野球規則を理解しやすくなり、スムーズな競技運営につながっています。

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