ジムII

ジムII (GM II) - 概要

ジムIIは、1985年に放送されたアニメ『機動戦士Ζガンダム』に初めて登場した架空の兵器で、有人操縦式のモビルスーツ(MS)の一つです。この機体は、前作の『機動戦士ガンダム』に出てくる地球連邦軍の量産型MSであるジムの改良版として位置づけられています。ティターンズ、連邦正規軍、反地球連邦組織エゥーゴといった異なる勢力で主力機として使用され、さまざまな設定や物語で広く知られています。

デザインと設定

ジムIIのメカニックデザインは、近藤和久の初期デザインに基づき、藤田一己が清書を行いました。アニメーションやモデル製作のために明貴美加が三面図を制作し、後に小説版『UC』でカトキハジメによる新たな設定画も描かれています。ジムIIは主に型式番号RMS-179を持ちますが、RGM-79Rという異なる型式番号も存在します。これらの型式番号は、制作時期や作品ごとに異なる解釈がされることが多いです。

機体の実際の開発は、宇宙世紀0080年に連邦軍の再建計画のもとで進められました。一年戦争時に大量生産されたジムの既存機を近代化改修し、必要な性能をアップデートすることが目的でしたが、ジムIIのコストパフォーマンスは実際には期待外れでした。連邦軍上層部は、既存の部品メーカーとの関係を利用して進められたこのプロジェクトを容認しました。

開発はジャブローで行われ、0083年にはRGM-79R型式番号が付与されて仕様が決定。最初の58機が改修されて運用されたのはこの際です。ジムIIは、主に近代化改修された機体が数多く最初に製造され、その後新規製造機がRMS-179として以降も増産されました。このように、ジムIIはティターンズや連邦正規軍それぞれにおいて普及したものの、後の新型MSに運動性で劣り、次第に支援的な役割に回されました。

機体の構造

ジムIIのデザインには、原型機であるジムとの明確な違いがあります。特に、頭部には索敵や通信機能を向上させるためのアンテナやセンサーが追加されました。また、胴体には強化されたジェネレーターが搭載され、武装では従来のビームライフルがそのまま使用されていますが、改良された設計が施されています。全体的に、ジムⅡは運動性の向上が達成され、信頼性の高い機体へと進化しました。

劇中での活躍

『機動戦士Ζガンダム』では、ジムIIは多くのシーンで登場し、戦闘におけるその役割が強調されています。特に、ティターンズの色彩に塗装された機体は、アーガマの攻撃に立ち向かうシーンや、数々の戦闘で燃えるような活躍を見せます。その後の作品、更には小説版や外伝ストーリーでも多くのバリエーション機体として姿を見せています。このように、ジムIIは多様な場面で運用されることが多く、ガンダムシリーズの中で重要な役割を果たしています。

バリエーション機

ジムIIには様々な派生機が存在し、その中には「ジムII・セミストライカー」や「ジムII・ラー」、「ジム・スナイパーIII」などが含まれます。これらの機体は、特定の戦闘や任務に特化した設計が施されており、それぞれ異なる特色を持っています。例えば、セミストライカーは近接戦闘用に改修され、特定の運用条件下での運動性向上を図っています。

ジムIIは、地球連邦軍の量産機としての役割を果たしながらも、時代のニーズに応じた進化も遂げており、様々なストーリーを経てその存在感を放ち続けています。この多様性こそが、ジムIIをガンダムシリーズにおいて特別な位置に置いているのです。

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