ジャイール・ボルソナーロ

ジャイール・メシアス・ボルソナーロの概要

ジャイール・メシアス・ボルソナーロ（Jair Messias Bolsonaro）は、1955年3月21日にブラジルのサンパウロ州グリセリオに生まれた政治家であり、第38代ブラジル大統領です。彼は2018年に当選し、2019年1月1日に公式に大統領に就任しました。もともと社会自由党に所属していましたが、その後党との関係を断絶しました。大統領になる前は、1991年から2018年までブラジルの連邦議会下院議員として活動し、リオデジャネイロ州を代表していました。

生い立ちと教育

ボルソナーロは、イタリア系とドイツ系の移民の家庭に生まれました。1977年には軍事教育を受け、アグリハス・ネグラス陸軍士官学校を卒業します。彼はその後、ブラジル陸軍の野戦砲兵とパラシュート部隊に所属することになります。1986年には、軍人の賃金について批判する記事を雑誌「Veja」に寄稿したことがきっかけで、初めて広く知られるようになり、その結果、逮捕されるという経験もしました。

政治キャリアの始まり

1988年には、大尉の階級で予備役に移行し、リオデジャネイロ市議会に立候補して当選します。1990年には下院議員としての道を歩み始め、以降6回の再選を果たします。彼の政治的立場は、国家保守主義と極右思想を強く支持し、同性婚や中絶、アファーマティブアクションなどの進展に対しては断固反対の姿勢を取っています。特に、マイクロマネジメント的な経済政策を打ち出し、リベラルな経済政策で市場重視の立場を強調しました。

大統領への道

2016年、彼は2018年の大統領選挙への立候補を発表します。2018年の選挙では、特に支持者には家族的・伝統的価値を強調し、選挙の際には自らをアウトサイダーと位置づけました。初回投票では1位となり、結果、決選投票に進出、当選を果たしました。その当選は、ブラジル国内外における彼の発言や政策への賛否が分かれる中のものでした。

政策と影響

ボルソナーロの大統領としての活動は、内政・外交において多くの論争を巻き起こしました。就任早々、彼は多くの陸軍将校を内閣に任命し、対応策を講じましたが、政府内の対立が生じた結果、多くの要職が辞任する事態も発生しました。また、彼の领导の下で森林伐採が進み、アマゾン雨林に関連する問題も深刻化しました。特に、COVID-19パンデミックへの対応においては、専門家による懸念を無視した発言から批判が集中しました。

2022年の大統領選挙では、左派候補のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァに対し接戦で敗北を喫します。彼は敗北後、その結果を受け入れず、選挙結果の無効を主張しました。この姿勢は、彼の支持者の間で混乱を引き起こす要因となり、政権交代に不満を表明する動きで騒然としましたが、最終的に政権移行が行われました。

最後に

2023年、彼は高等選挙裁判所によって当選資格を一時的に停止されるなど、政治的な活動においても波乱の展開が続いています。ボルソナーロのこれまでの政治キャリアは、気候問題、経済政策、社会問題に至るまで、極めて物議を醸すものとなっています。彼の政治的影響力と発言は、今後もブラジルの政治地図を形成していく重要な要素となるでしょう。

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