ジャカルタ都市高速鉄道

ジャカルタ都市高速鉄道（MRT）

ジャカルタ都市高速鉄道（Jakarta Mass Rapid Transit, MRT）は、インドネシアの首都ジャカルタにおける都市交通の改善を目的とした鉄道システムです。ジャカルタ初の地下鉄として、慢性的な交通渋滞の緩和と大気汚染の改善に貢献することが期待されています。

概要

ジャカルタMRTは、ジャカルタ首都特別州政府が出資するジャカルタMRT社によって運営されています。ジャカルタ首都圏の人口増加に伴い、郊外から都心への交通量が増大し、道路交通への過度な依存が深刻な問題となっていました。この問題を解決するために、都市高速鉄道システムの導入が決定されました。

2019年3月には、南北線の第1期区間が開業しました。開業当初は運賃無料でしたが、その後有料化されました。しかし、運賃設定や補助金の決定が遅れるなど、政治的な思惑も絡んだ状況での開業となりました。

建設工事には、日本の円借款が用いられ、多くの日本企業が参画しました。しかし、MRT側の支払い遅延により、多くの企業が赤字を計上する結果となりました。第1期工事は予定通り完了しましたが、第2期工事についてはリスクを理由に入札を見送る企業もあり、今後の進捗が懸念されています。

路線

現在、以下の路線が計画されています。

南北線（M1）
第1期区間: ブンダランHI駅～ルバックブルス駅間（15.7km、13駅）。2019年3月開業。
都心部の6駅は地下駅で、フルスクリーンタイプのホームドアが設置されています。
郊外の7駅は高架駅で、可動式ホーム柵が設置されています。
駅には発車時刻を記載した発車標が設置されていますが、時刻表の掲示はありません。
駅名にはネーミングライツが導入され、一部の駅には企業名が付けられています。
第2期区間: コタ駅～ブンデランHI駅、アンチョール・マリナ駅～コタ駅の2区間。
A区間（コタ駅～ブンデランHI駅）：6.3km、2029年開業予定
B区間（アンチョール・マリナ駅～コタ駅）：5.2km（計画中）
東西線（M2）
2030年開業計画
外環状線（M3）
計画中

車両

南北線には、住友商事と日本車輌製造が共同で受注した、1000系と呼ばれる6両編成の車両が導入されました。この車両は、日本の官民連携で策定された都市鉄道システムの標準仕様STRASYAに準拠しています。編成は以下の通りです。

先頭車 (Tc) - 中間車 (M) - 中間車 (M) - 付随車 (T) - 中間車 (M) - 先頭車 (Tc)

各編成の先頭車両には、毎日朝7時から9時と夕方17時から19時の間、女性専用車両が設定されています。

運賃

2019年3月の開業時は運賃無料でしたが、4月からは初乗り4,000ルピア（約32円）、最高14,000ルピア（約113円）となりました。同年10月末からは、スマートフォンアプリでも乗車できるようになりました。

脚注

工事は日本の円借款によって行われました。
多くの日本企業が建設に携わりました。

関連項目

国際協力機構（JICA）

外部リンク

MRT Jakarta（インドネシア語）

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