地下駅

地下駅とは

地下駅とは、鉄道駅の一種で、プラットホームが地下に設置されている駅のことを指します。主に地上駅や高架駅から地下化された路線、および地下鉄の駅として使用されています。

特徴

地下駅は、その設計上、建設コストが非常に高くなるという特徴があります。地下での工事は巨大な構造物を必要とし、結果として開業後の維持管理費用も増加します。また、災害時の復旧に手間がかかる傾向があります。加えて、ホームの増設や拡張も難しいため、柔軟な利用には限界があります。しかし、地下に完全に駅舎を置くことで地上のスペースを占有しないため、土地に限りのある大都市においては地下化が推進されています。そのため、日照を遮ることなく、騒音の軽減にも寄与する場合があります。

配置

ほとんどの地下駅では、プラットホームだけでなく、改札口や発券機も地下に設置されることが一般的です。このため、地上の構造物は地下への入り口としての役割を果たすことが多いです。また、地下駅では通常、複層構造が採用されています。これは、地下街などとの接続を容易にし、機能性を高める利点がありますが、利用者にとっては昇降に時間がかかる可能性があります。場合によっては、プラットホームが地下に存在し、駅舎が地上に残されるケースもあります。

建造物

地下駅の建材として使用されるコンクリートは、土中の水分と接触するため劣化が早いという欠点があります。このため、地上の施設に比べて寿命が短くなることがあります。また、地下水脈が近い駅では、常に排水を行わないと水圧によって構造物が浮き上がる可能性があります。さらに、経年による改修工事も厳しいため、コスト面での負担が大きいです。地下に建設する際には、水脈よりも深く掘ることが最善ですが、高い技術が要求され、アクセスも悪化する恐れがあります。

廃駅になった場合、地下空間をそのまま放置することは避けるべきですが、建物を完全に解体して埋め戻すのが難しいケースもあります。そのため、残置物を定期的に点検しつつ、他の用途として利用する方法が取られることもあります。

工法

地下駅の建設には、地上駅とは異なり、開削工法やシールド工法が用いられます。地下駅では、外壁に装飾が施されないことが多く、特に水に強い耐水コンクリートが使用されます。20世紀後半以降、多くの地下駅は鉄筋コンクリートの構造が主流となりました。基礎工事は開削工法を用いることが一般的ですが、場合によっては簡易な基礎工事も選ばれることがあります。

掘割駅

掘割駅は、地面を掘り下げて設置されたホームを持つ駅です。このタイプの駅では、線路が地面より下に設置されますが、上に蓋がない場合が一般的です。掘割駅は広義には地下駅に含まれるものの、駅舎が地上に設置されるため、地上駅と見なされることも多いです。

シェルター

地下駅は、非常時のシェルターとしての機能を持たせることも可能です。特に第二次世界大戦時には、モスクワの地下鉄駅舎などがその用途で利用されました。日本においても、特定の法律に基づき地下駅舎が避難施設に指定されることがあり、近年ではロシアのウクライナ侵攻の影響で、全国で300以上の地下駅が避難所として利用されることになりました。

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