ジャクソンビル海軍航空基地

ジャクソンビル海軍航空基地 (Naval Air Station Jacksonville)

概要

アメリカ合衆国フロリダ州ジャクソンビル市にある、アメリカ海軍の主要な航空基地です。大西洋艦隊の航空作戦における重要な拠点の一つとして、P-8Aポセイドン哨戒機やMH-60Rシーホークヘリコプターなど多数の航空機部隊が駐留し、海洋哨戒、対潜水艦戦、兵站支援、航空機の整備といった幅広い任務を遂行しています。

所在部隊

ジャクソンビル海軍航空基地には、様々な系統の部隊が配置されており、それぞれが重要な役割を担っています。

哨戒・偵察部隊

哨戒偵察航空群司令官(COMPATRECONGRU)の指揮下にある部隊は、主に洋上での監視や偵察活動を担当します。
第11哨戒偵察航空団: P-8A哨戒機を運用する大西洋艦隊の主力哨戒航空団です。
第5、第8、第10、第16、第26、第45哨戒飛行隊 (いずれもP-8Aを装備)
第30哨戒飛行隊 (VP-30): P-8A搭乗員の訓練を専門に行う飛行隊です。
第19無人機哨戒飛行隊 (VUP-19): 高高度長時間滞空型無人機MQ-4Cトライトンによる洋上監視を行います。
海洋哨戒偵察兵器学校 (MPRWPS): P-8AやMQ-4Cの運用に関する専門的な訓練を提供しています。
これらの部隊は、最新のセンサーやシステムを搭載した航空機を用いて、広大な海洋域での潜水艦捜索、水上艦艇の追跡、情報収集などを行います。

ヘリコプター海洋打撃部隊

大西洋艦隊ヘリコプター海洋打撃航空団司令官(COMHSMWINGLANT)の指揮下には、ジャクソンビル分遣隊が置かれています。
大西洋艦隊ヘリコプター海洋打撃航空団ジャクソンビル分遣隊: 多用途ヘリコプターMH-60Rシーホークを運用する複数の飛行隊が所属しています。
第46、第60、第70、第72、第74ヘリコプター海洋打撃飛行隊 (いずれもMH-60Rを装備)
MH-60R部隊は、対潜水艦戦や対水上戦、捜索救助、輸送など、艦隊の作戦に不可欠な幅広い任務に対応します。

海軍予備役航空隊部隊

海軍予備役航空隊司令官(CNAFR)の指揮下にある予備役部隊も基地を拠点としています。
艦隊兵站支援航空団:
第61艦隊兵站支援飛行隊 (VR-61) - C-40A輸送機
第62艦隊兵站支援飛行隊 (VR-62) - C-130T輸送機
海上支援航空団:
第62哨戒飛行隊 (VP-62) - P-8A哨戒機
これらの部隊は、必要に応じて現役部隊の活動を支援するため、兵站輸送や哨戒任務を行います。

艦隊即応センター

艦隊即応センター司令官(COMFRC)の指揮下にある南東部艦隊即応センター(FRCSE)は、基地に駐留する航空機や関連装備の整備、修理、改修を担当し、部隊の高い即応性を維持する上で重要な役割を担っています。

基地の機能と役割

ジャクソンビル海軍航空基地は、前述のような多様な任務を持つ部隊が集結することで、アメリカ海軍の哨戒、対潜水艦戦、兵站、整備といった重要な機能を統合的に提供する複合拠点となっています。大西洋正面における航空戦力の中核として、戦略的な要衝であり、その重要性は極めて高いと言えます。

過去の事故

2019年5月3日には、この基地で発生した航空事故が注目されました。キューバのリーワード・ポイント飛行場から到着した民間のチャーター便、マイアミ・エア・インターナショナル293便（ボーイング737-81Q型機）が、雨で濡れた滑走路への着陸時にハイドロプレーニング現象により制御を失い、滑走路をオーバーランして隣接するセントジョンズ川に着水しました。この事故では、搭乗していた143人のうち21人が負傷しましたが、幸いにも死者は発生しませんでした。

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