ジャズ・オン・パレード 1956年 裏町のお転婆娘

『ジャズ・オン・パレード 1956年 裏町のお転婆娘』は、1956年1月3日に公開された、井上梅次監督によるミュージカルコメディ映画です。この作品は、吉田広介が「平凡」に連載していた小説を原作としており、お正月映画として公開されました。主演は江利チエミが務め、彼女の歌とダンスが映画を彩っています。

物語は、一攫千金を夢見る芸能プロモーターと興行師が、興行界の大物の孫だと勘違いしたエミイという娘をスカウトすることから始まります。エミイをリーダーとしたジャズバンドを結成し、ショーを成功させようと奮闘する様子が描かれています。物語の中では、エミイの明るく元気なキャラクターが、周囲の人々を巻き込みながら、様々な騒動を繰り広げていきます。

キャストには、江利チエミをはじめ、芦川いづみ、浅丘ルリ子、長門裕之、フランキー堺、岡田眞澄など、当時の人気俳優が多数出演しています。また、月丘夢路、北原三枝、新珠三千代、南田洋子など、豪華な特別出演者もこの作品に華を添えています。さらに、日活ファミリー・クラブ・ダンシング・チームによるダンスシーンも見どころの一つです。

映画の音楽は多忠修が担当し、ジャズのリズムが物語を盛り上げます。また、撮影は間宮義雄が、美術は木村威夫が担当しており、当時の映画製作の技術の高さを感じることができます。

映画公開時には、月刊誌「少女」の付録として、永島慎二によるコミカライズ版も掲載されました。これは、映画の公開と同時に、関連メディアを通じて作品の世界観を広げようという当時の試みの一つであり、映画ファンだけでなく、漫画ファンにも楽しまれました。

2019年には、デジタル化されたものが新文芸坐で上映され、再び多くの観客の目に触れる機会を得ました。これにより、当時の映画ファンだけでなく、若い世代にもこの作品の魅力が伝わることとなりました。映画はモノクロでスタンダードサイズで制作されていますが、その映像から伝わるエネルギーは、現代においても色褪せることはありません。この映画は、昭和の日本のエンターテイメント文化を代表する作品の一つと言えるでしょう。

併映作品として『ただひとりの人』が上映されました。

外部リンクとしては、日活と映画DBの公式サイトがあります。この映画は、公開から長い年月が経過していますが、その魅力は今もなお、多くの人々を惹きつけています。

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