ジャッカルの日 (映画)

映画『ジャッカルの日』の概要

『ジャッカルの日』は、1973年に公開されたイギリス・フランスのフィルムで、フレデリック・フォーサイスの同名の小説を原作としています。監督はフレッド・ジンネマンが務め、シャルル・ド・ゴールの暗殺計画がメインストーリーとなっています。本作の冒頭には、ド・ゴールの記念碑であるロレーヌ十字が映し出され、彼の影響力を再認識させるシーンが印象的です。

制作の背景

映画の製作に当たって、英国のプロデューサーであるジョン・ウォルフとオーストリア出身のフレッド・ジンネマンは、フォーサイスの小説とほかの作品との映画化を検討しましたが、『ジャッカルの日』に決定しました。その際、ユニバーサル・スタジオはアメリカのトップ俳優をキャスティングしようとしましたが、ジンネマンはヨーロッパの俳優のみに限定する契約を交わしました。その結果、エドワード・フォックスが殺し屋「ジャッカル」を演じることに決まりました。

デニス役はオルガ・ジョルジュ＝ピコが選ばれましたが、当初はジャクリーン・ビセットがその役を予定していました。撮影はフランス、イギリス、イタリア、オーストリアのスタジオやロケ地で行われ、特にフランス人プロデューサーのジュリアン・デローデによる働きかけで、通常入ることのできない内務省内部でも撮影が可能となりました。

作品の公開と評価

本作は1973年5月16日にアメリカで公開され、同年6月にはイギリス、9月にはフランス、さらに日本でも公開されました。特にパリを含むヨーロッパ各地でのロケ撮影により、本作はドキュメンタリー風の雰囲気を持ちながら、薄汚いリアリティを強調するものとなっています。登場人物のセリフはほとんどが英語ですが、原作の雰囲気を忠実に再現しています。

日本では1973年の洋画配給収入ランキングで9位に入るなど、商業的にも成功を収めました。また、『キネマ旬報』や『映画評論』のベストテンでもそれぞれ4位と14位に掲載されるなど、高い評価を得ました。フォックスはジャッカル役で強い印象を残し、同時にロンズデールは警視ルベルという老練なキャラクターを演じ、彼がジャッカルを追い詰める展開も見どころとなっています。

リメイクと影響

後に1997年にはリチャード・ギアとブルース・ウィリスを主演に据えた『ジャッカル』がリメイクされましたが、元の小説とは異なるストーリーラインが展開されました。リメイク版は物語の舞台がアメリカに変更され、背景も異なるため、フォーサイスの原作とは直接の関係はありません。

本作『ジャッカルの日』は、サスペンス映画の金字塔として多くの視聴者に愛され続け、その後の作品に影響を与える重要な作品となっています。

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