ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門

『ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門』

概要

『ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門』（原題：少林門、英題：The Hand Of Death）は、1975年に製作された香港の映画で、1976年に公開された作品です。監督はジョン・ウーが担当し、ジャッキー・チェンは準主役として出演しています。この映画は、ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウの三人が初めて共演したことでも知られています。サモ・ハンは悪役を演じるだけでなく、武術の指導も行い、もともとは彼の作品が中心に据えられています。

本作は製作後に公開が延期されましたが、香港では1976年7月15日に上映され、日本では映画館での公開はされず、後にテレビ放送とビデオ化を経て流通しました。

あらすじ

物語は、少林寺の僧侶であったシー・シャオフェンが清朝の役人と手を組み、少林寺の武僧たちを次々と抹殺していく形で展開します。彼は権力を握り、次第に絶大な力を誇る存在へと変貌していきます。しかし、少林寺に残された道場主は、シーを倒すため弟子のユン・フェイを派遣するものの、シーの親衛隊に敗北し、捕らえられてしまいます。

その後、ユン・フェイは少林寺の残党や鍛冶屋であるタンの助けを借りて脱出します。これにより彼は、武道の達人ゾロや革命家チャンといったキャラクターたちと出会い、チームを結成します。彼らは己の技を磨き、力を合わせて再度シーに挑むことになります。物語は、友情と復讐のテーマを描きながら、緊張感あふれる戦いが繰り広げられます。

キャスト

本作には、ジャッキー・チェンの他にもレオン・タン、サモ・ハン・キンポーなどの俳優が名を連ねています。日本での初回放送は1983年3月20日にTBSの「月曜ロードショー」で行われ、以後も多くのファンに受け入れられています。吹き替え版は特別編集されており、ジャッキー・チェンのシーンが強調されているため、視聴者は彼が主演であるかのように感じるかもしれません。

制作背景

『ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門』は、ジョン・ウーが監督を務める初期の作品であり、彼自身も出演している映画です。映画音楽には、ブルース・リー作品で知られるジョセフ・クーが担当しました。主演のレオン・タンは武道の達人であり、作品の中でテコンドーの高い技術を見せています。また、ジャッキー・チェンは、オーストラリアから香港に戻った際、サモ・ハンの紹介で本作に出演することになり、その後のキャリアに繋がるきっかけを得ました。

日本での吹き替え

日本語吹き替え版は、当初のテレビ放送時に特別編集されたもので、実際には準主役だったジャッキー・チェンがあたかも主演であるかのように編集されています。そのため、本来の主演であるレオン・タンのシーンが多くカットされているのが特徴です。さらに、悪役が使う拳法の名称が独特で、翻訳版では「がちょう拳」と愉快に表現されています。これは、英語版のセリフを基にしたものであり、観客に新たな楽しみを提供しています。

この映画は、ジャッキー・チェンの武道映画の中でも特に早期の重要な作品とされており、後の彼の名声を築く礎ともなった一作です。

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