テコンドー

テコンドー（跆拳道）

テコンドー（英: Taekwondo）は、主に韓国で行われる伝統的な武道、スポーツとして世界中で親しまれています。この武道は、朝鮮半島の古武術であるテッキョンと、日本から伝わった松濤館流空手に影響を受けたものです。現在、テコンドーにはWTF（World Taekwondo Federation）によるスポーツテコンドーと、ITF（International Taekwon-Do Federation）による伝統派テコンドーの2つの系統が存在し、各々異なるスタイルとルールを持っています。さらに、障害者向けの競技としてパラテコンドーもラインアップされ、普遍的な参加機会が提供されています。

テコンドーの発展の歴史は、1940年代中盤にさかのぼります。当時、韓国は日本の占領下にあり、日本から伝わった空手が「コンスドー」や「タンスドー」として広まっていました。1950年代に入ると、韓国内における武道団体間で統一名称を求める動きが強まり、その結果、1955年に「テコンドー」という名称が正式に認定されました。この命名には、崔泓熙という人物が大きく関与していました。

1950年には「大韓空手道協会」が釜山で設立され、その後、相次ぐ団体間の脱退や新設の動きがあり、1960年代にかけてテコンドー界は様々な組織に分かれていきました。そして、1966年には国際テコンドー連盟（ITF）が創設され、崔泓熙が初代総裁に就任します。このITFはテコンドーの国際化に寄与し、1980年代からはオリンピック競技化の動きも加速しました。

特に、WTFテコンドーは、1988年にソウルオリンピックで公開競技に、2000年のシドニーオリンピックでは正式競技の座を得ることになります。これによりテコンドーは国際的にその位置付けを強化し、多くの国で愛されるスポーツとなりました。

テコンドーの技術体系は、足技に重きを置いた様式や、多様な型（プムセやトゥル）を含み、技術の美しさと実用性を兼ね備えています。競技は主にスパーリング、型、試割に分類され、各々がスポーツテコンドーと伝統派テコンドーにおいて異なるルールと形式を採っています。

近年では、世界テコンドー（WT）と国際テコンドー連盟（ITF）間での競技ルールや体系の違いが注目を集めていますが、両者ともテコンドーの普及と発展に寄与しています。日本でも、1960年代からの普及が進められ、二つの系統に対応した団体が存在し、多くの愛好者が活動しています。特に、WT系の団体においては、足技を中心としたスパーリングが主な競技形式となり、その特性は「足のボクシング」とも称されます。

テコンドーはただの武道やスポーツだけでなく、自己防衛、心身の鍛錬、協調性や礼儀を養う教育的側面も持ち合わせています。そのため、世界中の道場や学校で多くの人々がテコンドーに取り組んでおり、国際的な大会も盛況に開催されています。

また、テコンドーは映画や漫画などの作品にも取り上げられることがあり、文化的な側面も担っています。特に、アクション映画やテレビ番組では、テコンドーの迫力ある技が観客を魅了しています。テコンドーを学ぶことで、身体能力を向上させるだけでなく、自信や精神力を養うことができるため、今後も多くの人に愛され続けることでしょう。

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