ジャック・ストラトン

ジャック・ストラトン（Jack Stratton）は、1994年8月21日生まれ、ニュージーランド出身のプロラグビーユニオン選手である。現在は日本のトップリーグ、ジャパンラグビーリーグワンに所属する三菱重工相模原ダイナボアーズで中心選手として活躍している。グラウンド上では主にスクラムハーフ（SH）およびスタンドオフ（SO）としてプレーし、その高いスキルと戦術理解度でチームの攻撃を司る要となっている。

ニュージーランドで生まれ育ったジャック・ストラトンは、幼少期からラグビーに親しみ、わずか5歳で楕円球を追い始めた。その才能は早くから開花し、フィールディング高校で学生プレイヤーとして頭角を現した後、リンカーン大学へと進学。大学でもラグビーを続けながら、より高いレベルでのプレーを目指した。卒業後、彼はニュージーランド国内の強豪チームでキャリアを積み重ねていく。国内州代表選手権（マイター10カップなど）に参加するカンタベリーやワイカトといった名門チームでのプレーを経て、南半球最高峰のプロリーグであるスーパーラグビーに参戦するクルセイダーズの一員となった。クルセイダーズでは、世界のトップ選手たちと共に厳しいトレーニングを積み、国際レベルの試合経験を積むことで、彼のプレーはさらに洗練されていった。身長185センチメートル、体重91キログラムという恵まれた体格は、SHとしては大型であり、SOとしても充分なフィジカルを持つことを示しており、彼のプレーの幅広さに貢献している。チームメイトからは「Stratto」という愛称で親しまれている。

新たな挑戦の舞台として日本を選んだジャック・ストラトンは、2019年に当時のジャパンラグビートップリーグに所属していた東芝ブレイブルーパス（現在の東芝ブレイブルーパス東京）に加入した。日本でのプロキャリアをスタートさせた彼は、すぐにチームにフィットし、その実力を遺憾なく発揮した。特に、日本での公式戦デビューは強く印象に残るものとなった。2020年1月12日に行われたジャパンラグビートップリーグ第1節、強豪サントリーサンゴリアスとの一戦に先発メンバーとして名を連ね、日本のラグビーファンにその存在を知らしめたのである。東芝ブレイブルーパス東京での数シーズンを経て、彼は2023年に三菱重工相模原ダイナボアーズへの移籍を決断した。新たなチームでも、その豊富な経験とリーダーシップを発揮し、チームの攻撃を牽引する重要な役割を担っている。スクラムハーフとしては、的確なパスと素早い判断でゲームメイクを行い、スタンドオフとしては、正確なキックやラインブレイクでチャンスを創出するなど、二つの主要なポジションを高レベルでこなせるユーティリティ性が彼の最大の強みの一つである。これは、チームにとって戦術的な多様性をもたらすだけでなく、試合中の状況に応じた柔軟な対応を可能にしている。

ニュージーランドで培った高い技術と、日本で磨きをかける戦術眼を併せ持つジャック・ストラトンは、ジャパンラグビーリーグワンにおいて今後も注目すべき選手の一人である。そのダイナミックなプレーと献身的な姿勢は、所属チームである三菱重工相模原ダイナボアーズの躍進に大きく貢献していくことだろう。彼の今後の活躍から目が離せない。

もう一度検索