ジャック・ロード

ジャック・ロード：『ハワイ5-0』のスティーブ・マクギャレットを演じた名優

ジャック・ロード（Jack Lord、本名John Joseph Patrick Ryan、1920年12月30日 - 1998年1月21日）は、アメリカ合衆国の俳優であり、特にテレビドラマ『ハワイ5-0』のスティーブ・マクギャレット役で広く知られています。彼の生涯は、俳優としての成功だけでなく、芸術への深い愛情と複雑な人間関係に彩られています。

若き日の夢と挫折

ニューヨーク市ブルックリンで、汽船会社の重役の息子として生まれたロードは、フットボールの奨学金を得てニューヨーク大学で美術を専攻しました。彼の才能は早くから開花し、描いた絵画はメトロポリタン美術館に展示されるほどでした。しかし、大学を中退し、船員として地中海で働くという異色の経歴を持っています。

ニューヨークに戻った彼は、ショールームでキャデラックを販売する傍ら、夜間にはネイバーフッド・プレイハウスで演劇を学びました。アクターズ・スタジオでは、マーロン・ブランドやポール・ニューマンといった名優たちと共に演技を磨き、ブロードウェイの舞台『熱いトタン屋根の猫』に出演するなど、着実にキャリアを築いていきました。

ハリウッドでの活躍

1955年にロサンゼルスに移住したロードは、テレビドラマや映画に数多く出演しました。その中でも、1962年の映画『007 ドクター・ノオ』で、ショーン・コネリー演じるジェームズ・ボンドに協力するCIAのフェリックス・ライター役は、彼の国際的な知名度を高めるきっかけとなりました。

『ハワイ5-0』とスティーブ・マクギャレット

1968年から始まった刑事ドラマ『ハワイ5-0』は、ロードのキャリアにおける最大のハイライトとなりました。彼は主人公のスティーブ・マクギャレットを演じ、その存在感とカリスマ性で視聴者を魅了しました。ドラマの舞台となったハワイでのオールロケは、ロードをハワイに定住させることとなり、彼は番組終了後も同地で生活し、生涯を終えました。

『ハワイ5-0』は12シーズン続く長寿番組となり、80カ国以上で放送されるなど、世界的な人気を博しました。ロードは主演俳優としてだけでなく、制作にも深く関わり、監督としても才能を発揮しました。彼の情熱と才能が、『ハワイ5-0』の成功を支えたと言えるでしょう。

複雑な私生活

ロードの私生活は、決して順風満帆ではありませんでした。船員時代に乗客と結婚し、妊娠を知らされますが、彼女がアメリカでの生活を望まなかったため離婚。生まれた息子とは幼少期に一度会ったきりでしたが、13歳の時に事故で亡くするという悲しい出来事も経験しました。1952年には、ファッションデザイナーのマリー・ド・ナルドと再婚しましたが、子供には恵まれませんでした。

主な出演作品

映画

軍法会議 - The Court Martial of Billy Mitchell（1956年）
放浪の王者 - The Vagabond King（1956年）
決断 - The Hangman（1958年）
真昼の欲情 - God's Little Acre（1958年）
西部の人 - Man of the West（1958年）
007 ドクター・ノオ - Dr.No（1962年）
縛り首の三人 - The Ride to Hangman's Tree（1967年）

テレビ

ある動機 - Conflict S1-E1 "Pattern for Violence"(1957年、NHKで1960年放送)
ルート66(1961年) - 「狂った旋律」
コンバット(1965年) - 「戦場をかける」
夜空の大空港(1966年) - フランク・トンプソン捜査官
インベーダー(1967年) -「人類を裏切る者」(ジョージ・ビコー)
逃亡者(1967年) #112「ある愛の終末」(アラン・バートレット)
ハワイ5-0

外部リンク

Jack Lord - IMDb（英語）
Jack Lord - インターネット・ブロードウェイ・データベース（英語）
Jack Lord - オールムービー（英語）
ジャック・ロード - Find a Grave（英語）

ジャック・ロードは、その才能と情熱で、多くの人々に感動を与えました。彼の出演作品は、今もなお世界中で愛され続けています。

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