ジャック1世 (モナコ公)

ジャック・ド・ゴワイヨン・ド・マティニョン（Jacques de Goyon de Matignon, 1689年11月21日 - 1751年4月23日）は、ブルボン朝時代のフランス貴族です。モナコ女公ルイーズ＝イポリットと結婚し、彼女の死後、2年ほどモナコ公ジャック1世（Jacques Ier）としてモナコを統治しました。

生涯

トリニー伯爵ジャック・ド・ゴワイヨン・ド・マティニョン（1644年 - 1725年）とシャルロット・ド・ゴワイヨン・ド・マティニョン（1657年 - 1721年）の息子として生まれました。陸軍元帥シャルル・オーギュスト・ド・ゴワイヨン・ド・マティニョンの甥にあたります。

モナコに対するフランスの影響力を強めようとしていたルイ14世によって、モナコ公家の女子相続者であったルイーズ＝イポリットの婿として選ばれました。1715年10月20日に2人は結婚し、8人の子供をもうけました。

しかし、ジャックは多くの妾を囲い、ヴェルサイユ宮廷での華やかな暮らしを好んでモナコに滞在することが稀であったため、夫婦仲は良好とは言えませんでした。

1731年2月20日に義父アントワーヌ1世公が亡くなると、妻のルイーズが公位を継承しましたが、彼女は同年12月29日に天然痘により急死しました。夫であったジャックが公位を引き継ぎましたが、国事には全く関心を示さなかったため、モナコ住民の不満が高まりました。その結果、ジャックは1732年5月に国外退去を余儀なくされ、翌1733年11月8日に息子のオノレ3世に公位を譲位しました。

退位後、ジャック1世は余生をヴェルサイユとパリで過ごしました。フランス王室の縁者の1人であった「メーヌ姫」ことルイーズ・フランソワーズ・ド・ブルボンとの再婚話もありましたが、実現には至りませんでした。

子女

アントワーヌ・シャルル・マリー（1717年12月16日 - 1718年2月24日） - ド・ボー侯爵
シャルロット・テレーズ・ナタリー（1719年3月19日 - 1790年） - 「マドモアゼル・ド・モナコ」、修道女
オノレ・カミーユ・レオノール（1720年9月10日 - 1795年5月12日） - モナコ公オノレ3世
シャルル・マリー・オーギュスト（1722年1月1日 - 1749年8月24日） - カルラデス伯爵
ルイーズ・フランソワーズ（1724年7月15日 – 1724年9月15日） - 「マドモアゼル・ド・ボー」
フランソワ・シャルル（1726年2月4日 - 1743年12月9日） - トリニー伯
シャルル・モーリス（1727年5月14日 - 1798年1月18日） - ヴァランティノワ伯爵
マリー・フランソワーズ・テレーズ（1728年7月20日 - 1743年6月20日） - 「マドモアゼル・ド・エストゥトヴィル」

もう一度検索