ジャナクプル鉄道

ジャナクプル鉄道について

ジャナクプル鉄道（ジャナクプルてつどう）は、ネパールとインドの国境沿いを走る、ネパール唯一の鉄道です。この鉄道は、インドのジャイナガルからネパールのジャナクプルまでの約29kmの路線を持っており、独自の歴史があります。

歴史的背景

この鉄道の起源は1927年に遡ります。元々は「ネパール・ガバメント鉄道」として知られ、インドのラクソールを起点にしてビールガンジを経由し、カトマンズを目指す約50kmの路線が存在しましたが、1950年代には廃線になりました。現在、ジャナクプル鉄道は、インドのジャイナガルを起点としており、両国の国境を越えてジャナクプルまでの区間を結んでいます。さらに、かつてはビサルプラまでの延伸も計画されていました。1937年にインドが植民地だった頃、この地域に762mmの狭軌で鉄道が敷設されました。

国境を超える交通事情

ジャナクプル鉄道は、国際列車として運行されていますが、インドとネパールの国民は互いに審査なしで国境を行き来できます。そのため、両国の国境に位置する駅では特別な入出国手続きは行われず、利便性の点ではメリットがあります。しかし、外国人旅行者にとっては国境をまたぐ区間（カジュリ - ジャイナガル間）は乗車ができないため、国境の意識の薄い鉄道局員が乗車券を販売してしまうことがあると報告されています。

鉄道の運行体制

1994年まで蒸気機関車が運行されており、その異色の存在から鉄道ファンの注目も集めていました。2014年にはすべての車両がインドから譲渡されたディーゼル機関車に置き換わり、客車も老朽化が目立っています。列車には多くの乗客が搭乗し、屋根に人が乗ることも珍しくない状態が続いています。ジャイナガルからジャナクプルまでの29kmを約2時間で走行するのが通常となっており、保線が不十分なことも影響しています。とはいえ、運行はファーストおよびセカンドクラスに分かれた2等級制が適用されています。

近代化の取り組み

2000年当時、ジャイナガル - ジャナクプル間に3往復、さらにジャナクプル - ビサルプラ間に1往復の旅客列車が運行されていました。近年では、軌間を1676mmの広軌に改修し、インド国鉄との直通運転を提案する構想が進められています。2004年にはその調査が行われ、2014年からは狭軌路線の運行を休止し、新たに広軌路線の敷設がスタートしました。2018年までには工事が完了し、2020年には新型の気動車がジャナクプル駅に到着しました。その後、2022年4月から運行が再開されました。

現在の路線と主要駅

ジャナクプル鉄道の本線は、ジャイナガルを起点とし、カジュリ、マニナトゥプル、シャヒード・サロジ・ナガ・ハルト、バイデヒー、パルバハを経てジャナクプルに至ります。この路線は全長29kmの本線に対して、支線としてジャナクプルからビザルプラまでの22kmの区間があります。鉄道の未来は、近代化と共に新たな展望を迎えており、今後の発展が期待されます。

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