ジャパンエナジーグリフィンズ

ジャパンエナジーグリフィンズ

ジャパンエナジーグリフィンズ（英: Japan Energy Griffins）は、1998年に活動を終えた、ジャパンエナジー（前身は日本鉱業、現在はENEOSグループの一員）が保有していた男子バスケットボールチームです。その長い歴史の中で、数々の栄光を掴み、日本のバスケットボール史にその名を刻みました。

チームの歴史と栄光

チームは1937年に日本鉱業として創設され、その活動は第二次世界大戦後も継続されました。戦後間もない1947年に開催された第1回全日本実業団選手権で早速優勝を飾るなど、設立初期からその実力の片鱗を見せていました。

1960年代に入ると、チームはさらに躍進します。1964年には全日本総合バスケットボール選手権大会（オールジャパン、現在の天皇杯）で初の栄冠を手に入れました。特に1966年からはオールジャパンで4連覇という偉業を達成し、その強さを不動のものとしました。1972年には日本リーグ（現在のB.LEAGUEの前身の一つ）でも頂点に立ち、同年のオールジャパン優勝と合わせて二冠を達成するなど、この時期はまさにチームの黄金期でした。

この輝かしい時代、グリフィンズは日本鋼管、住友金属、松下電器といった他の強豪実業団チームと共に、1960年代から1980年代にかけての日本の社会人バスケットボール界を牽引する存在でした。企業の名称が日本鉱業から日鉱共石、そしてジャパンエナジーへと変わっていく中でも、チームはトップレベルでの活動を続けました。

しかし、1998年に親会社の事業方針変更に伴い、バスケットボール部の強化が停止され、事実上の休部、そして廃部へと至りました。これにより、日本の実業団バスケットボール界からまた一つ名門チームが姿を消すこととなりました。

獲得した主なタイトル

ジャパンエナジーグリフィンズは、廃部までに通算23回の全国タイトルを獲得しました。その内訳は以下の通りです。

日本リーグ: 優勝1回（1972年）
オールジャパン（全日本総合選手権）: 優勝8回（1964年、1966年、1967年、1968年、1969年、1972年、1989年、1993年）
全日本実業団選手権: 優勝5回
国民体育大会（国体）: 優勝9回

特にオールジャパンでの8度の優勝は、チームの歴史における大きな財産と言えるでしょう。1972年には日本リーグとオールジャパンの二冠を達成するなど、その時代のバスケットボール界において支配的な強さを誇っていました。

チームの終焉とその後のバスケットボール活動

1998年の廃部後も、ジャパンエナジー（現ENEOSグループ）はバスケットボールとの関わりを持ち続けています。特に、女子バスケットボール部であるジャパンエナジーJOMOサンフラワーズ（現ENEOSサンフラワーズ）は存続し、日本女子バスケットボールリーグ（Wリーグ）において現在もトップチームとして活躍しています。また、会社自身も日本リーグのスポンサーを務めたり、バスケットボールクリニックを開催したりするなど、バスケットボール競技の普及や発展を支援する活動を継続しています。

一方で、男子バスケットボールに関しては、チームの廃部後もOBが主体となって結成された「日鉱本社」というチームが現在も活動を続けています。これとは別に、旧ジャパンエナジー戸田事業所にも男子バスケットボール部が存在しており、こちらはJX日鉱日石エネルギー戸田事業所バスケットボール部（通称JXエネルギー戸田）として、事業所が閉鎖される2015年まで関東実業団連盟に所属し活動していました。

チームを彩った選手たち

多くの著名な選手がジャパンエナジーグリフィンズでプレーしました。その一部を紹介します。

青木 崇
今泉 健一
東海林 周太郎
斎藤 博
登坂 哲朗
奈良 節雄
志賀 政司
中村 邦彦
阿部 成章
樋口 隆之
大野 和也
蛭川 俊明
多岐 格
岡山 啓三
児玉 敏
小玉 晃
高木 彰
小浜 元孝
大島 康邦
西川 博光
内海 知秀
鈴木 貴美一
瀬戸 孝幸
佐藤 清美
細野 真
ジョン・パトリック
石橋 貴俊
棟方 公寿
村越 直幸
天野 佳彦
佐久本 智
岡村 憲司
小納 真良
コーリー・ゲインズ

これらの選手たちは、グリフィンズの輝かしい歴史を築く上で重要な役割を果たしました。内海知秀氏や鈴木貴美一氏、佐藤清美氏らは後に指導者としても活躍しています。

ジャパンエナジーグリフィンズは、その活動期間は終えましたが、日本のバスケットボール界に残した功績と記憶は、今なお多くの人々に語り継がれています。

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