ジャマイカの国章

ジャマイカの国章は、1661年に国王の権限によってジャマイカに与えられた紋章です。この国章は、ジャマイカの歴史、文化、そして国民性を象徴する重要なシンボルとなっています。

国章のデザインと変遷

オリジナルの国章は、当時のカンタベリー大主教であったウィリアム・サンクロフトによってデザインされました。国章のデザインは時代とともに変化しており、公式に記録されているだけでも1692年、1957年、1962年の3度の変更が確認されています。

標語の変遷

国章に記された標語は、当初から議論の的となっていました。オリジナルの標語はラテン語で「INDVS VTERQVE SERVIET VNI」（2人のインディアンが一人に仕える、もしくは2人のインド人が共に仕えるであろう）というもので、これは、かつてジャマイカに住んでいた先住民であるタイノ族とアラワク族が、植民者によって隷属させられた歴史を反映していました。しかし、この標語は後に英語の「Out of Many, One People」（多から一つへ）に変更されました。これは、ジャマイカに住む多様な文化的背景を持つ人々が、団結して一つの国民を形成するという意味が込められています。この標語は、アメリカ合衆国の標語である「E Pluribus Unum」（多から一つへ）と同義であり、偶然の一致として興味深い点です。

国章の意味

現在のジャマイカの国章は、ジャマイカの国民が多様な背景を持ちながらも、一つの国民として団結し、協力して国の発展を目指すという精神を象徴しています。国章は、ジャマイカの国民にとって、誇りであり、アイデンティティの源泉となっています。

国章は、ジャマイカの歴史と文化を反映したものであり、その変遷は、ジャマイカの社会の変化を物語っています。標語の変化は、過去の歴史を反省し、より良い未来を築こうとするジャマイカの国民の意志を表しています。ジャマイカの国章は、過去、現在、そして未来をつなぐ、重要なシンボルなのです。

関連項目

国章の一覧
ジャマイカの国旗

もう一度検索