ジャレット・ライト

ジャレット・ライト：光と影の野球人生

ジャレット・サミュエル・ライト（Jaret Samuel Wright , 1975年12月29日 - ）は、カリフォルニア州アナハイム出身の元プロ野球選手。右投右打の投手として、メジャーリーグで活躍しました。父親は、読売ジャイアンツでもプレーしたクライド・ライトです。

インディアンスでの華々しいデビュー

1994年のMLBドラフトで、クリーブランド・インディアンスから1巡目（全体10位）という高い評価で指名されプロ入り。1997年6月24日のミネソタ・ツインズ戦でメジャーデビューを果たし、初登板初先発初勝利という鮮烈なデビューを飾ります。その後、先発ローテーションに定着し、この年は8勝3敗の成績を挙げました。さらに、ワールドシリーズでは第4戦と優勝決定戦となった第7戦という大舞台で先発を任され、チームの躍進に大きく貢献しました。

1998年には初の2ケタ勝利となる12勝を挙げ、将来を嘱望される存在となりました。

相次ぐ故障との闘い

しかし、1999年に肩と背中の痛みに悩まされ、故障者リスト入りを繰り返します。この年は8勝10敗、防御率6.06と大きく成績を落とし、以降は故障との闘いが続くことになります。2000年には肩の手術、2001年には肘の手術と肩の再手術を受け、登板機会は激減しました。2002年には8試合に登板したものの、防御率は15.71と振るわず、自由契約となります。

ブレーブスでの復活、そしてヤンキースへ

2002年12月10日にサンディエゴ・パドレスと契約。2003年は中継ぎとして39試合に登板しますが、防御率8点台と結果を残せず、アトランタ・ブレーブスへ移籍します。

ブレーブスでは、投手コーチとして名高いレオ・マゾーニーの指導を受け、見事に復活を遂げます。2004年には32試合に登板し、キャリアハイとなる15勝、防御率3.28という好成績を記録しました。

2004年12月28日には、ニューヨーク・ヤンキースと3年総額2100万ドルという大型契約を結びました。しかし、ヤンキース移籍後も再び怪我に悩まされ、2005年は5勝、2006年は11勝にとどまりました。

オリオールズでの引退

2006年11月12日にボルチモア・オリオールズへトレード。2007年には再びマゾーニーの指導を受けますが、未勝利に終わり、この年限りで現役を引退しました。

実力は毎年2ケタ勝利を期待できるレベルでしたが、1999年の肩の故障以降、度重なる故障に悩まされ、2ケタ勝利は3回に終わりました。

投球スタイル

ジャレット・ライトの主な武器は、140km/h後半のツーシームとカーブ。その他にも、チェンジアップやカットボールを操り、フォーシームは150km/hを超えることもありました。多彩な球種と制球力を武器に、打者を打ち取るスタイルでした。

選手としての評価

ジャレット・ライトは、その才能とポテンシャルの高さから、将来を嘱望された投手でした。しかし、度重なる故障に苦しみ、その能力を十分に発揮できたとは言えません。それでも、ブレーブス時代には見事な復活を遂げ、ヤンキースでも一定の成績を残すなど、その実力の一端を見せました。故障さえなければ、もっと偉大な投手になれたのではないか、と惜しまれる選手です。

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