ジャンタルマンタル (競走馬)

ジャンタルマンタル

2021年3月21日生まれの日本の競走馬。鹿毛の牡馬。その名はインドに点在する歴史的な天体観測施設群に由来する。デビュー当初から非凡な才能を見せ、2023年にはJRA賞最優秀2歳牡馬に輝いた。主な勝ち鞍には、2023年の朝日杯フューチュリティステークス、2024年のNHKマイルカップ、そして2025年の安田記念といったGI競走がある。

輝かしい2歳シーズン（2023年）

2歳シーズンは10月8日、京都競馬場の芝1800メートル新馬戦で幕を開けた。単勝2番人気の支持を受け、レースでは中団より前の位置で流れに乗り、最後の直線でスムーズに抜け出すと、後続に2馬身半の差をつけて初陣を飾った。

続く11月11日、京都競馬場で行われたデイリー杯2歳ステークス（GII）では、先行集団を見る形でレースを進め、直線に入ると鮮やかに加速。残り200メートル地点で先頭に躍り出ると、そのままリードを広げ、2着馬に2馬身の差をつけて重賞初制覇を果たした。

飛躍の締めくくりとして、12月17日には阪神競馬場で行われたGI競走、朝日杯フューチュリティステークスへ挑戦。キャリア初のGI舞台ながら、単勝1番人気の支持を集めた。レースでは中団のインコースでじっと機を伺い、最後の直線入り口手前で外へ持ち出し進出を開始。迎えた直線では、力強い末脚で馬群を割って抜け出し、後続を寄せ付けない走りでGI初制覇を成し遂げた。この無傷の3連勝とGI勝利の実績が高く評価され、同年のJRA賞最優秀2歳牡馬に選出された。

3歳シーズン、GI連勝へ（2024年）

3歳初戦は2月11日の共同通信杯（GIII）。デビュー以来初めての敗戦を経験する。スローペースの展開の中、先行したジャスティンミラノを捉えきれず、クビ差の2着に惜敗した。

クラシック路線へ駒を進め、皐月賞（GI）では初めての2000メートル戦に挑んだ。距離延長への対応が注目されたが、結果は3着。最後の直線では残り1ハロンあたりで脚色が鈍ったものの、掲示板を確保し、能力の一端を示した。

続くGI、NHKマイルカップ（GI）には皐月賞から中2週という厳しいローテーションで出走。それでもマイルでの実績と能力が買われ、GI勝ち馬アスコリピチェーノに次ぐ単勝2番人気に支持された。レースではスタートを決めて好位に取り付き、道中もスムーズな運び。直線半ばで先頭に立つと、ライバルたちの追撃を全く寄せ付けず、2着アスコリチェーノに2馬身半もの着差をつけて優勝。朝日杯フューチュリティステークスに続くGI・2勝目を飾った。鞍上を務めた川田将雅騎手は、厳しい間隔でのレースにもかかわらず見せた馬の能力を称賛するとともに、「心身ともに成長すれば、日本のマイル界で最も強い馬になる可能性を秘めている」と、この馬のさらなるポテンシャルに大きな期待を寄せた。

このNHKマイルカップでの勝利は、そのパフォーマンスに対する客観的な評価としても特筆される。JRAが発表した暫定レーティングは118ポンド。これは過去の勝ち馬であるキングカメハメハ（2004年、117ポンド）やシュネルマイスター（2021年、117ポンド）をも上回る、NHKマイルカップ史上最高の評価となった。

血統背景

母はアメリカのGIIIレッドカーペットハンデキャップなどを制したインディアマントゥアナ。本馬は、その母が本馬を受胎した状態で2020年にアメリカで行われたキーンランドセールで社台ファームによって購買され、日本へ輸入された後に生まれた「持込馬」である。優秀な母の血を受け継ぎ、日本で生産・育成されたサラブレッドとして、今後の活躍が期待されている。

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